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坂本花織も「人として尊敬」 GPファイナルを制したアリサ・リュウは「シン・天才」

  • 小宮良之●取材・文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 能登 直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

【リスクがあるからこそ】

 12月6日、名古屋。グランプリ(GP)ファイナル記者会見のスタートは、すでに深夜だった。しかし大勢のメディアが集まって、次々と質疑応答が行なわれていた。

 そのなかで、222.49点で表彰台の一番高いところに立ったアリサ・リュウ(アメリカ)は、GP女王にふさわしいコメントを残している。

ーー「トリプルアクセルにも挑戦したい」とおっしゃっていましたが、今日の演技だと必要ないのでは?

 リュウは笑顔になって答えた。

「勝つためだけに何かをする、ということを私はしません。でも私はリスキーなことが大好きで、リスクがあるからこそ、やりたいんです。そもそも、トリプルアクセルが好きだし、もしショート、フリーのプログラムに入れていたら、どんな演技になるんだろうって考えるだけでもワクワクします。

 私自身の好奇心を満足させたいのもあるし、大勢のファンが入っている会場の競技大会で、トリプルアクセルをやったんだという気持ちを味わってみたい。そういう自分の演技をみせたいのです。もちろん、うまくいくかどうかわからないけど、それが完璧なショーだと思うんです」

 好奇心を満たしたい、というスタンスは異彩を放っていた。決して優劣ではない。しかし、日本人選手にはあまりない感覚かもしれない。

GPファイナルで優勝したアリサ・リュウ(アメリカ)GPファイナルで優勝したアリサ・リュウ(アメリカ)この記事に関連する写真を見る

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著者プロフィール

  • 小宮良之

    小宮良之 (こみやよしゆき)

    スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。パリ五輪ではバレーボールを中心に取材。

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