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憧れの浅田真央の前で完璧に決めたトリプルアクセル 中井亜美が五輪代表へ前進「いいのかな」

  • 小宮良之●取材・文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 能登 直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

【憧れの人・浅田真央の前での演技】

 12月6日、名古屋。グランプリ(GP)ファイナル、女子シングルでフリーの戦いの火蓋が切られようとしていた。6分間練習の一幕だった。

 場内に浅田真央が招待されていることがアナウンスされ、モニターにも姿が映し出される。画面のなかの浅田は恐縮した様子だったが、周りに促されて立ち上がって会釈をすると、大歓声が巻き起こった。本人はあくまで「主役は選手」とわきまえて控えめな行動だったが、スーパースターの輝きは隠しても眩しい。

 そして、この輝きに照らされた選手がリンクにいた。17歳の中井亜美は、シニアデビューシーズンのGPシリーズ・フランス大会でいきなり優勝を飾り、GPファイナルに出場していた。

「憧れの人」

 中井にとって、浅田はフィギュアスケートを始めるきっかけだった。テレビ画面に映る艶やかな姿に"恋慕"した。浅田の代名詞のひとつであるトリプルアクセルでも継承者のひとりになった。

「真央ちゃんに見てもらえるように頑張る!」

 リンクサイドの中井ははしゃいでいたが、その衝動も覚醒の触媒になったーー。

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著者プロフィール

  • 小宮良之

    小宮良之 (こみやよしゆき)

    スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。パリ五輪ではバレーボールを中心に取材。

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