セルジオ越後が語る、今のサッカー日本代表で「欠かせない選手」「試したいダブルボランチ」「もっと自由を与えたい選手」
セルジオ越後の「新・サッカー一蹴両断」(21)
セルジオ氏が10月のブラジル戦でMVPに挙げていた堂安。今回の2連戦でも充実のプレーを見せた photo by Yanagawa Go!
年内最後の強化試合、ガーナ戦(14日)、ボリビア戦(18日)を終えたサッカー日本代表。2試合とも危なげない戦いぶりで、2-0、3-0と勝利を収めたが、来年に迫る北中米ワールドカップに向けての課題と収穫は? おなじみのご意見番、セルジオ越後氏に話を聞いた。
【正直、ガーナもボリビアも物足りない相手だった】
2試合とも勝ったのはよかった。ただ、正直、相手がちょっと物足りなかったね。
ワールドカップ出場国のガーナは主力数人が不在。体格は大きいけど、スピードはないし、ボール際の激しさもなかった。日本にプレスをかけられると、後ろでダラダラとボールを回すだけ。昔はもっと強い印象があったんだけどね。ワールドカップの出場国が32から48に増えていなければ、本大会に出られなかったんじゃないか。そう思わせるレベルだった。
ボリビアはワールドカップ南米予選を通過できず(7位)、プレーオフを戦うチーム。南米予選最終節、ホームでのブラジル戦に勝っているとはいえ、標高4100メートルという高地での試合開催。参考にはならないだろうと考えていた。日本に先制点を奪われてからは、引いて守るのではなく、積極的に攻撃を仕掛けてきたけど、真ん中でボールが収まらないし、サイドでキープするので精一杯。怖さはなかった。
逆に言えば、日本はもう少し前からプレスをかけ、早い段階で2点目、3点目を決めてトドメを刺すべきだった。後半に入り、相手が疲れてくるなか、どんどん選手交代をして追加点を奪ったけど、そこまで相手のペースに合わせてしまったのは反省点だね。
ただ、それでも日本の選手個々のプレーぶりを見れば、収穫もあった。
まずは右ウイングバックの堂安律。9月のメキシコ戦、10月のパラグアイ戦、ブラジル戦に続いて、今回の2試合もよかった。もともと攻撃面での貢献度が高い選手だけど、最近は守備もすばらしい。日本がここをやられたら危ないという場面では、彼がしっかり戻って守っている。運動量も多く、所属クラブでの好調ぶりがうかがえる。同じポジションに伊東純也がいるなか、出場時間が長くなっているのは、森保一監督の信頼が厚い証拠だろう。それも納得だし、今の日本代表に欠かせない選手だ。
同じく所属クラブで好調な上田綺世もたくましくなった。彼の課題は、強い相手と対戦した時に結果を出せるかどうか。それが、10月のブラジル戦で点を決めたのが自信になったのか、今回もボリビア戦で途中出場からゴールを決めた。このまま来年まで調子をキープしてほしい。
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著者プロフィール

セルジオ越後 (せるじお・えちご)
サッカー評論家。1945年生まれ、ブラジル・サンパウロ出身。17歳の時に名門コリンチャンスのテストに合格し、18歳の時にプロ契約を結び、MF、FWとして活躍した。「エラシコ」と呼ばれるフェイントを発案し、ブラジル代表の背番号10を背負った同僚のリベリーノに教えたことでも有名。1972年に日本リーグの藤和不動産(湘南ベルマーレの前身)から誘いを受け、27歳で来日。1978年から日本サッカー協会公認の「さわやかサッカー教室」で全国を回り、開催1000回以上、のべ60万人以上を指導した。H.C.日光アイスバックスのシニアディレクター。日本アンプティサッカー協会最高顧問。公式ホームページ【http://www.sergio-echigo.com】

