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セルジオ越後が語る、今のサッカー日本代表で「欠かせない選手」「試したいダブルボランチ」「もっと自由を与えたい選手」 (2ページ目)

  • 渡辺達也●構成 text by Watanabe Tatsuya

【佐野海舟はガットゥーゾみたいな選手だね】

 ボランチの佐野海舟とDFの鈴木淳之介という新戦力ふたりの台頭も好材料。

 佐野海は「第2の遠藤(航)」だね。いわゆる潰し屋で、ボール際の強さが似ている。もちろん、ふたりには違いもあって、遠藤はゲームの流れを読み、チームのバランスを考えながら、つねにリスクの少ないプレーを選ぶ。攻撃参加は少ない。

 一方、佐野海は守備だけでなく、攻撃面でも魅力のある選手。ボールを奪えば、そのまま前線まで持ち上がれるし、シュートも打てる。ガーナ戦での南野へのアシストもすばらしかった。イエローカードをもらわないファウルの仕方もいい。まるでガットゥーゾ(現イタリア代表監督)みたいな選手だね。

 一部では、遠藤と佐野海のどちらを先発起用すべきかという議論もあるようだけど、押し込まれる時間が長くなりそうな強い相手と対戦する時には、ふたりにダブルボランチを組ませてもいいと思う。来年3月の開催が噂されるイングランドとの強化試合で、ぜひ試してほしい。

 3バックの左サイドに入った鈴木もいいプレーを見せていたね。センターバックとしては身長180㎝と小柄だけど、身体能力が高く、ヘディングでも負けていなかった。両足で蹴れて、ミスパスも少なく、チームに迷惑をかけるようなプレーは一度もなかった。ケガ人の多い最終ラインにあって、彼と右サイドの渡辺剛が戦力として計算できるようになったのは大きい。

 一方で、少し心配な選手もいた。久保建英だ。ケガの影響もあるのかもしれないけど、9月、10月、11月の日本代表6連戦で、アシストはしたけど、ゴールがなかった。ストライカーではないとはいえ、物足りなく感じてしまう。

 ただ、それは彼個人のプレーに問題があるというよりも、チームとしての問題だね。久保の守備の負担が大きすぎると思う。攻守の切り替えを早くして、みんなで攻めて、みんなで守るのが今の時代のサッカー。でも、選手の特長を生かすことも忘れてはいけない。

 アルゼンチンのメッシみたいなスーパースターじゃないにしても、久保にももっと前の位置で、攻撃に専念させてあげたい。今の日本代表での久保は、ボールを持ってもゴールから遠い位置にいることが多く、相手からすれば「とりあえずファウルで止めればいい」となり、久保の仕掛けの怖さが半減している。それこそ、前述した遠藤と佐野海のダブルボランチにして、久保をより自由にプレーさせることも試す価値はあると思う。

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著者プロフィール

  • セルジオ越後

    セルジオ越後 (せるじお・えちご)

    サッカー評論家。1945年生まれ、ブラジル・サンパウロ出身。17歳の時に名門コリンチャンスのテストに合格し、18歳の時にプロ契約を結び、MF、FWとして活躍した。「エラシコ」と呼ばれるフェイントを発案し、ブラジル代表の背番号10を背負った同僚のリベリーノに教えたことでも有名。1972年に日本リーグの藤和不動産(湘南ベルマーレの前身)から誘いを受け、27歳で来日。1978年から日本サッカー協会公認の「さわやかサッカー教室」で全国を回り、開催1000回以上、のべ60万人以上を指導した。H.C.日光アイスバックスのシニアディレクター。日本アンプティサッカー協会最高顧問。公式ホームページ【http://www.sergio-echigo.com】

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