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ワールドカップ抽選会に世界中からブーイング トランプ陣営の集会と化したイベントの舞台裏

  • リカルド・セティオン●文 text by Ricardo Setyon
  • 利根川晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

「ワールドカップの組み合わせ抽選会はいつも馬鹿げているが、今回はそれにトランプが加わってさらに馬鹿馬鹿しさが強まった」(『ワシントン・ポスト』)
「トランプ、ヴィレッジ・ピープル、そしてサッカーがほんの少し~FIFAの恥ずかしいカーニバルへようこそ」(『ニューヨーク・タイムズ』)
「代表チームのためというより、ひとりの男のために作られた抽選会」(『SkyニュースUK』)
「フットボールのディストピア的未来を垣間見る」(『インディペンデント』)
「派手でぎこちないワールドカップの抽選会で、インファンティーノは世界で最も貴重な自尊心を満足させるために全力を尽くした」(『ガーディアン』)
「2026年ワールドカップの抽選で勝者は......ドナルド・トランプ」(『UOLブラジル』)

 12月5日(現地時間)に行なわれたFIFAワールドカップ2026の組み合わせ抽選会に対し、世界中で大ブーイングが起こっている。

ワールドカップ抽選会の主役だったドナルド・トランプ大統領とジャンニ・インファンティーノFIFA会長 photo by Kazuhito Yamada/Kaz Photographyワールドカップ抽選会の主役だったドナルド・トランプ大統領とジャンニ・インファンティーノFIFA会長 photo by Kazuhito Yamada/Kaz Photography 抽選会は突っ込みどころしかなかった。サッカーには関係ない音楽の演奏や小芝居がだらだらと続き、抽選が本格的に始まったのはオープニングから約90分後。つまり1試合と同じ時間を要した。ロナウドやロベルト・バッジョなど数多くのサッカー界のレジェンドが招かれているというのに、彼らはほとんど紹介されず、式典にただ豪華さを出すためのお飾りとなった。そして舞台に上がり抽選するのは、サッカーには関係ないアメリカの四大スポーツ――野球、バスケケットボール、アメリカンフットボール、アイスホッケーの選手たち。彼らは抽選会のルールもよくわかっていなければ、ワールドカップ出場を決めた国の名さえもちゃんと読むことができなかった。

 そして何よりも、この抽選会を最悪の茶番にしたのが、これでもかというほどのトランプ礼賛だった。

 共同開催国のカナダのマーク・カーニー首相とメキシコのクラウディア・シェインバウム大統領も出席したが、ショーは最初から最後までトランプの独壇場だった。FIFAのジャンニ・インファンティーノ会長の目にはトランプしか映っていなかった。

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