ベトナム戦で森保監督が試した 2つの布陣 。攻撃重視の4-2-3-1はW杯本番でも機能するか? (4ページ目)

  • 中山 淳●文 text by Nakayama Atsushi
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

4-3-3のブラッシュアップか4-2-3-1の再修正か

 その一方で、以前4-2-3-1を基本布陣としていた時期のような、連動性のある攻撃を見せるには至っていない。この試合でダイレクトパスを3本以上つないで作ったチャンスは1度もなく、それが引いて守る相手を崩しきれず、クロスに頼った単調な攻撃に陥ってしまった原因のひとつになっていた。

 しかしながら、その問題を今後の課題として取り組むべきかどうかは、一考の余地があるだろう。なぜなら、W杯本番で、今回のベトナム戦のように日本が一方的に攻め立てる試合展開は考えにくいからだ。

 そういう意味では、攻撃的にシフトチェンジするための手段として採用する4-2-3-1を、互角以上の相手に対してどのように運用するかは未知数と言える。しかも4-2-3-1は、今回の予選で攻撃面でも機能しなかった布陣であり、守備バランスにおける問題も解決できないまま、一度は諦めた戦い方でもある。

 果たして、本番までの限られた時間のなかで、森保監督は4-3-3のブラッシュアップに重きを置くのか、4-2-3-1の再修正に力を注ぐのか。それとも、この2つの布陣以外のオプション作りにも取り組んでいくのか。

 6月に予定される4試合は、いろいろな部分で注目すべきポイントが多い。

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