2022.04.01

ベトナム戦で森保監督が試した 2つの布陣 。攻撃重視の4-2-3-1はW杯本番でも機能するか?

  • 中山 淳●文 text by Nakayama Atsushi
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

カタールW杯アジア最終予選特集

中途半端にテストと勝利の二兎を追った

 ホームで有終の美を飾るべく臨んだ、サッカー日本代表のベトナム戦。すでに前節のオーストラリア戦でカタールW杯本大会出場を決めていた日本だったが、グループ最下位のベトナムにホームで1-1のドローを演じ、お祝いムードに水をさす格好に終わった。

前半はドリブル突破、後半は連係でチャンスを作った三笘だが、日本は1ゴールのみに終わった前半はドリブル突破、後半は連係でチャンスを作った三笘だが、日本は1ゴールのみに終わった この記事に関連する写真を見る  ただ、森保ジャパンの対ベトナム戦の戦績を振り返ると、2019年アジアカップ準々決勝と今回のアジア最終予選第5節のアウェー戦で対戦し、いずれも日本が攻めあぐねる格好で1-0の辛勝に終わっている。そういう意味では、前半にコーナーキックから先制を許した段階で、この結末は十分に予測できたことだった。

 もちろんその要因のひとつとして挙げられるのが、センターバック吉田麻也と右サイドバック(SB)山根視来以外の9人を入れ替えた、森保一監督のスタメン編成だ。

 確かに過去の親善試合では、2連戦をAチームとBチームに分けて戦うことはよくあった。しかし、公式戦で大幅変更に踏みきった例は、2019年アジアカップのグループリーグで2連勝をしたあと、スタメン10人を入れ替えたウズベキスタン戦しかない。

 グループリーグ突破を確定させたあとの3戦目でローテーションを採用するのは、優勝を狙うチームの常套手段だが、今回のケースはシチュエーションが違う。それだけに、珍しく試合前日にスタメンの大幅変更を公にしていた点も含め、今回の森保監督が通常とは異なる基準でスタメンを編成した可能性は高い。

 いずれにしても、中途半端なかたちで選手のテストと勝利の"二兎"を追った采配が失策に終わったことだけに焦点を当てると、この試合で見えた大事な部分がかすんでしまう。

 試合前日会見で、森保監督は「戦術的コンセプトに変わりはないが、出場選手が違えば戦い方も変わってくる部分もある」「スカウティングどおりなら明日のベトナムは3バック。オーストラリアとは違うシステムなので、我々も違うオプションを見せないといけない」と語っていたが、実際、試合はほぼそのとおりの展開になったからだ。