高橋大輔がこだわる「どれだけ人の心をつかめるか」 アイスショー『氷艶』で世界観炸裂
高橋大輔×増田貴久『氷艶』レポート 中編(全3回)
【スケーターと俳優の"ヤバい"チーム】
7月5日、横浜。高橋大輔と「NEWS」増田貴久がダブル主演のアイスショー『氷艶 hyoen 2025-鏡紋の夜叉-』の初日舞台が、熱気のなかで開演している。
『氷艶』に出演した高橋大輔。桃太郎・温羅伝説の温羅を演じた ©氷艶hyoen2025この記事に関連する写真を見る
「『氷艶』は奇跡的なシーンの連続! トップスケーターのF1なみのスピード表現、氷に照らされる役者の美しさ、オペラのように音楽を魔術にするSUGIZO氏、限界をあらゆる意味で超えるスタッフ! チーム氷艶ヤバい! ご期待あれ!」
堤幸彦監督が出した初日コメントにも、その興奮が伝わってくる。
今回のテーマは「フィギュアスケート×桃太郎・温羅伝説」だと言うが、特筆すべきはふたつに境界線がない点だろう。
フィギュアスケーターたちの演技は真に迫っているし、トップクラスの俳優陣が氷上で驚くほど自然に滑っている。芝居のなかでは、スケーターも俳優陣もない。
鉄の女神を演じた荒川静香 ©氷艶hyoen2025この記事に関連する写真を見る
たとえば、五輪金メダリストである荒川静香の所作はすっかり鉄の女神だったし、個性的な役をふわりと演じきる俳優の森田望智はフィギュアスケート経験者だとは言うが、スパイラルはみごとだったし、村元哉中とのダンスは想像を超えていた。
何より、主演の高橋は舞台でわき上がる熱に刺激されるように、表現者としてさらなる進化を遂げていたのであるーー。
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著者プロフィール
小宮良之 (こみやよしゆき)
スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。パリ五輪ではバレーボールを中心に取材。