藤川球児新監督の阪神は2025年をどう戦うべきか? 赤星憲広が「補強したのと同じくらいの価値がある」と期待する選手
赤星憲広が語る藤川球児(後編)
2024年シーズン、阪神は3.5ゲーム差の2位に終わり、惜しくも球団初の連覇はならなかった。2年ぶりの優勝に向け、藤川球児新監督を迎えた阪神はどのような戦いをすべきか。阪神OBである赤星憲広氏に聞いた。
藤川球児監督(左)とFA宣言するも阪神残留を決めた大山悠輔 photo by Sankei Visualこの記事に関連する写真を見る
【屈指の厚みを誇る投手陣】
── 昨シーズン、阪神投手陣のチーム防御率2.50は、巨人の2.49に次いでリーグ2位。また与四球323はリーグ最少でした。
赤星 阪神投手陣の強みは、やはり頭数が揃っている"先発陣"です。才木浩人(13勝)、大竹耕太郎(11勝)、ジェレミー・ビーズリー(8勝)、村上頌樹(7勝)、伊藤将司(4勝)......。たとえば、調子の上がらない投手がいたとしてもその代わりがいる。
昨シーズン、手術から復帰した髙橋遥人が4勝を挙げるなど復活を遂げましたが、このオフ、左手首に入ったプレート除去手術の影響で、開幕には遅れると聞いています。また2年連続最多勝の実績がある青柳晃洋が、ポスティングシステムによるメジャー移籍を目指しています。そんな状況でも、先発陣が足りないということはない。そこが大きな強みです。先発に関しては、質量とも盤石だと思います。
── 2023年にMVPに輝いた村上頌樹投手は、9イニングの平均与四球が23年の0.94個から、24年は1.93個になりました。その影響もあったのか、10勝6敗から7勝11敗と負け越しました。
赤星 昨シーズンの村上は、相手打線に相当研究されました。だから、コントロールがいいがゆえに、昨年以上に際どいところを狙って投げていました。制球が乱れたというよりも、打者を誘った分、逆に四球が増えてしまった。西勇輝もそうですが、コントロールがいい投手にありがちな結果と言えます。相変わらずコントロールは抜群ですから、今シーズンはそのいい部分をいい方向に持っていってくれるでしょう。
── 赤星さんが楽しみにしている投手は誰ですか?
赤星 昨年のドラフトで1位指名された伊原陵人(NTT西日本)、2位の今朝丸裕喜(報徳学園)、3位の木下里都(KMGホールディングス)の上位指名された3人は楽しみですね。また、昨年ウエスタンリーグで7勝(4敗)を挙げた高卒3年目の茨木秀俊にも期待しています。
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