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藤川球児新監督の阪神は2025年をどう戦うべきか? 赤星憲広が「補強したのと同じくらいの価値がある」と期待する選手 (2ページ目)

  • 水道博●文 text by Suido Hiroshi

── 逆に不安要素を挙げるとすると、どこになるでしょうか。

赤星 岩崎優は別として、リリーフ陣がどこまで機能するかが不安です。昨年、岩貞祐太や島本浩也が軒並み数字を落としました。リリーフ陣は複数年活躍すると、どうしても勤続疲労が出てくるものです。1、2年は頑張ってくれるのですが、その後、故障や調子が上がらないケースが見られます。昨年で言えば、リーグ最多の70試合に登板して最優秀中継ぎ賞のタイトルを獲得した桐敷拓馬や、56試合に登板した石井大智あたりが今シーズンどこまで機能するか。昨年は接戦が多かったため、セットアッパーにかかる負担が大きかったですから。

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── 一方、攻撃陣はいかがですか?

赤星 2003年に日本一になったシーズンは、四球をもぎとり、盗塁や犠打でつくった少ないチャンスをものにする勝ち方でした。ただ昨年は、四球数こそリーグトップでしたが、盗塁数はリーグ5位、犠打数もリーグ4位と前年に比べて減りました。一昨年のように、コツコツとつなぐスタイルの野球ができれば、自ずと得点力は上がると思います。

── 特に盗塁は5連続1位でしたが、昨年は一気に5位(41個)まで下がりました。

赤星 表面的な数字だけ見れば下がっていますね。矢野(燿大)監督の時は、走れる時は行ってもいいという"グリーンライト"でしたが、岡田監督の時はサインでした。昨年はサインを出すのが減ったのかもしれないですね。ただ中野拓夢が「もう一度、盗塁王を狙います」という前向きなコメントを出しているように、藤川監督に代わってどうなるのか注目ですね。

── 選手個々で見るとどうですか。

赤星 一昨年と比較して成績を上げたのは森下翔太、踏ん張ったのが近本光司。一方で、大山悠輔や佐藤輝明は数字を下げました。ほかにも、中野や木浪聖也といった日本一に貢献した選手たちも軒並み下がりました。23年と同じくらいの成績を残していたら、優勝できていたかもしれないですね。もちろん、彼らも「このままでは終われない」と思っているでしょうし、奮起に期待です。

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