藤川球児新監督の阪神は2025年をどう戦うべきか? 赤星憲広が「補強したのと同じくらいの価値がある」と期待する選手 (3ページ目)
── 若手についてはいかがですか。
赤星 台頭したのは前川右京です。プロは好成績を3シーズン続けて、ようやく一人前と言われる世界です。そういう意味で、前川はもちろんですが、森下も今年が重要なシーズンになるのは間違いありません。
【補強と同じ価値がある大山の残留】
── 6年連続最多だったチーム失策数が、2024年はリーグ5位になりました(85失策)。
赤星 そこについても本拠地の甲子園が土のグラウンドですから、一概に数字だけでははかれないところがあります。ただ、減ったことは喜ばしいことですし、全体的に守備力は上がっています。昨年23失策した佐藤も向上心を見せてくれるでしょう。
── このオフ、大きな補強はなかったですが、FA宣言していた大山選手が残留となりました。
赤星 残ってくれたことは、チームにとってかなり大きいです。チームの軸となる4番打者ですので、バッティングばかりクローズアップされますが、守備力であったり、野球に対する姿勢であったり、統率力であったり、チームに与える影響がものすごく大きな選手です。大山の残留は、補強したのと同じくらいの価値があると思います。
── 最後に、警戒するチームはどこになりますか。
赤星 昨年優勝した巨人を倒さなくてはならないのは言うまでもありませんが、日本一になったのはDeNAです。また9月に失速して、最終的には4位でしたが、シーズン中盤まで首位を走っていた広島も手強いです。昨年15勝7敗3分と大きく勝ち越した中日は、井上一樹新監督になり、どんな野球をしてくるのか注目です。ヤクルトだってここ2年はBクラスに甘んじていますが、実力はある。いずれにせよ、全球団に勝ち越すつもりの気構えで臨まなくてはなりません。
赤星憲広(あかほし・のりひろ)/1976年4月10日、愛知県出身。大府高校から亜細亜大、JR東日本に進み、2000年のドラフトで阪神から4位指名を受け入団。1年目の01年に盗塁王と新人王を獲得、以後05年まで5年連続盗塁王を獲得し、プロ通算381盗塁は球団最多記録。07年には通算1000本安打達成。09年9月、試合中のダイビングキャッチで脊髄を損傷し、同年12月に現役引退。現在は野球解説者、スポーツコメンテーターとして活動している
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