【プレミアリーグ】冨安健洋「故障再発のリスクは20%」 フリーとなった26歳DFを欲しがるクラブは...
「7月初旬にアーセナルから重大発表がある」
この情報を耳にした時、大方の予想はついていた。
ひとつは、FWヴィクトル・ギェケレシュ(スポルティング)、DFクリスティアン・モスケラ(バレンシア)をはじめとする補強の進捗状況。もうひとつは、MFトーマス・パーティの性的暴行疑惑である。
今にして思うと、モスケラとの交渉が明らかになった時点で、気づくべきだった。
右からユリエン・ティンバー、ウィリアン・サリバ、ガブリエウ・マガリャンイス、マイルズ・ルイス=スケリーがレギュラーの4バックで、控えにはベン・ホワイト、ヤクブ・キヴィオル、リッカルド・カラフィオーリと実力者が居並ぶ。この陣容にセンターバック、右サイドバックをこなせるモスケラが加入すると、弾き飛ばされるのは冨安健洋だ。
冨安健洋とアーセナルの幸せな時間は4年で幕を下ろした photo by Getty Imagesこの記事に関連する写真を見る 世界に誇る日本の名DFが、彼らに劣るわけではない。サリバが「全選手の鑑(かがみ)」と信頼し、アシスタントコーチのカルロス・クエスタ(次シーズンからパルマの監督に就任)とも「戦術理解度はパーフェクト」と絶賛していた男だ。
だが、プレミアリーグの強度、東京とロンドンを往復する日本代表のハードスケジュール、ミケル・アルテタ監督が要求する偽サイドバックの動きなどが、冨安の肉体を追い込んでいった。
ボローニャからアーセナルに移籍した2021-22シーズンは21試合・1679分に出場し、不動の右サイドバックとして異彩を放った。9月には月間MVPを受賞するなどすばらしいデビューだったが、12月にふくらはぎを痛めて、およそ4カ月の戦線離脱を余儀なくされる。
2022-23シーズンも21試合に出場したものの、プレータイムは653分に減少。翌シーズンは22試合・1143分と復調の兆しを見せたにもかかわらず、昨シーズンは1試合・6分しかピッチに立てなかった。アーセナル加入後、負傷で戦線を離脱した期間は690日にも及んでいる。
もはや戦力として計算できなくなった。「故障再発のリスクは20パーセント。リハビリ終了後、少なくとも1年間は負荷を最小限に抑えなければならない」と、医療チームが通告したとも噂されている。7月3日、アーセナルは「双方合意のうえでタケヒロ・トミヤスとの契約を解除した」と発表した。
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著者プロフィール

粕谷秀樹 (かすや・ひでき)
1958年、東京・下北沢生まれ。出版社勤務を経て、2001年
、フリーランスに転身。プレミアリーグ、チャンピオンズリーグ、 海外サッカー情報番組のコメンテイターを務めるとともに、コラム 、エッセイも執筆。著書に『プレミアリーグ観戦レシピ』(東邦出 版)、責任編集では「サッカーのある街」(ベースボールマガジン 社)など多数。
















