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【プレミアリーグ】冨安健洋「故障再発のリスクは20%」 フリーとなった26歳DFを欲しがるクラブは... (2ページ目)

  • 粕谷秀樹●取材・文 text by Kasuya Hideki

【イタリアでは変わらず高い評価】

 愛するアーセナルの非情な決断によって、冨安はフリートランスファーになった。常日頃から「生涯グーナー(アーセナルサポーターの呼称)」と語っていた心情を踏まえると、プレミアリーグ内のライバルチームに移籍する可能性はゼロに等しい。

 仮にリーグ内で新天地を求めるのなら、負傷再発のリスクを最小限に抑えるために、ヨーロッパのコンペティションに出場しないクラブが望ましい。

 たとえば、マンチェスター・ユナイテッド(昨季15位/以下同)? いや、冨安はグーナーだ。長年のライバル関係を考えると、このクラブ間の移籍はほぼない。

 ディーン・ハイセン(20歳)がレアル・マドリードに、ミロシュ・ケルケズ(21歳)がリバプールに移籍し、イリア・ザバルニー(22歳)もパリ・サンジェルマンに奪われる公算大のボーンマス(9位)は、ハイレベルのDFを欲している。また、ウェストハム(14位)やブレントフォード(10位)が触手を伸ばしても不思議ではない。いずれもDFは手薄だからだ。

 ひざ、ふくらはぎ、大腿部などに抱える問題を重視するチームは、冨安獲得に二の足を踏むかもしれない。復帰予定が今年12月であること、フリートランスファーであることから、夏の市場では手を出さないことも考えられる。

 ただ、コンディションさえ整えば、この男は一線級のDFだ。健康面を十二分にチェックした結果、冨安の名にふさわしいクラブからオファーが届く可能性は捨てきれない。プレミアリーグで戦い続けるチャンスは、まだまだ残っている。

 一方、イングランド以外の国はどうか。冨安はイタリア・セリエAで、今も高く評価されている。ボローニャで見せたハイパフォーマンスは、「TAKEHIRO TOMIYASU」の名を世界に知らしめるきっかけとなった。

 ユベントスは今オフ、DF強化の一環としてナイフ・アゲルド(29歳/ウェストハム)に照準を絞っているという。しかし、DFとしての総合力は冨安のほうが明らかに優れている。

 ナポリの内情に詳しい地元メディア『Spazio Napoli』は、フリーとなった冨安について「コンディションに不安があるとはいえ、右サイドを強化するうえで検討すべき選手のひとり」と報じた。アントニオ・コンテ監督も汎用性に富んだタイプを欲しているという。冨安は合致する。

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