検索

ブラジル代表GKアリソンはコンマ何秒の隙を見逃さない 元日本代表GK南雄太も現役時代に取り入れた高等テクニック

  • 中山 淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi

【連載】
南雄太「元日本代表GKが見た一流GKのすごさ」
第6回:アリソン(ブラジル)

「大きくて、速くて、うまさもある。現代サッカーで求められるすべての要素を持っているGKで、自分から仕掛けていく『攻撃的なタイプ』ですね」

 現在、横浜FCフットボールアカデミーサッカースクールや流通経済大学付属柏高等学校で育成年代のGKコーチを務めながら、解説者としても活躍する南雄太氏がそう称賛するのが、ブラジル代表の守護神アリソンこと、本名アリソン・ラムセス・ベッカーだ。

   ※   ※   ※   ※   ※

この記事に関連する写真を見る 2018年から所属するリバプールでもその存在感は圧倒的で、今シーズンはプレミアリーグ優勝に大きく貢献するなど、現在も世界指折りのGKとして知られる。

 とりわけ今シーズンで印象的だったのは、自身が「おそらく人生最高の試合だった」と振り返ったチャンピオンズリーグのパリ・サンジェルマン戦(ラウンド16)における、超人的なパフォーマンスだろう。

 第2戦でチームは逆転を許したが、第1戦では28本ものシュートを浴びながら、敵地でビッグセーブを連発。先勝の立役者としてマン・オブ・ザ・マッチに輝いたことは記憶に新しい。

 はたして、アリソンのすごみはどんなプレーに隠されているのか。最初に南氏が解説してくれたのは、その独特なシュートブロックだった。

「GKのシュートブロックの型は人それぞれで、種類もいくつかあります。呼び方もいろいろあると思いますが、たとえば至近距離からのシュートを止める時に腰を落として、股下のスペースを消すために片足のひざを内側に折り曲げる『L字ブロック』。あるいは、両足を広げてシュートスペースを消す『X(エックス)ブロック』または『フットブロック』などが代表的な型です。

 ただ、L字だと面の幅が狭くなってしまい、Xだと股下が空いてしまうというデメリットがあるのですが、アリソンは体を広げながら横に倒していき、シューターに寄せていくという独特のブロックをよく使います。僕の知るかぎり、この形のブロックをするのはアリソンだけではないでしょうか」

1 / 3

著者プロフィール

  • 中山 淳

    中山 淳 (なかやま・あつし)

    1970年生まれ、山梨県出身。月刊「ワールドサッカーグラフィック」誌編集部勤務、同誌編集長を経て独立。スポーツ関連の出版物やデジタルコンテンツの企画制作を行なうほか、サッカーおよびスポーツメディアに執筆。サッカー中継の解説、サッカー関連番組にも出演する。近著『Jリーグを使ってみませんか? 地域に笑顔を増やす驚きの活動例』(ベースボール・マガジン社)

【図】GKアリソン擁するリバプール2024-25基本フォーメーション

キーワード

このページのトップに戻る