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【プレミアリーグ】三笘薫のステップアップ移籍は焦るべからず 開幕時はブライトンでプレーしたほうがいい理由

  • 粕谷秀樹●取材・文 text by Kasuya Hideki

 この1〜2年、夏・冬にかぎらず移籍市場が開くたびに、ブライトンの三笘薫はビッグクラブへの移籍が噂されていた。

 今年1月にはサウジアラビアのアル・ヒラルが提示した8500万ユーロ(約141億円)ものオファーを「レベルが高いリーグでプレーしたい」と拒否したとも伝えられている。カネでは動かないぞ、という意思表示だ。

 今年の夏も、三笘の周辺は騒がしかった。アーセナルやチェルシー、バイエルンの補強候補として、国内外のメディアからクローズアップされた。

この記事に関連する写真を見る しかし、バイエルンは本当に三笘を欲していたのだろうか。そもそもの発信源は、情報の信憑性に乏しい大衆紙『Bild』だ。5月の段階で去就が微妙だったレロイ・サネ、キングスレイ・コマンの立場を踏まえ、左ウイングに三笘を当てはめたにすぎない。バイエルンがエージェントに接触した事実は確認できなかった。

 そして今、サネはガラタサライに去り、フリートランスファーになったコマンも移籍先を探している。バイエルンは現在、ミランのラファエル・レオン、リバプールのルイス・ディアスとの交渉がまことしやかに囁かれている。そこに三笘の名前は見当たらない。

 チェルシーも同様だ。コール・パーマー、モイセス・カイセド、ニコラス・ジャクソン、ペドロ・ネトなど、近頃は2000年代生まれの若者を軸に補強を図っている。今夏に獲得したリアム・デラップも22歳、ジョアン・ペドロは23歳、ジェイミー・バイノー=ギッテンスは20歳である。5月で28歳になった三笘は対象外だろう。

 しかもチェルシーの内情は、ジェイドン・サンチョ、ラヒーム・スターリング、クリストファー・エンクンク、ミハイロ・ムドリク、ジョアン・フェリックスといった構想外の選手が目立つ。それらを含めると、前線は多くの余剰戦力を抱えている。また、ファイナンシャル・フェアプレー違反を繰り返すクラブの体質も、三笘のクリーンなイメージにふさわしくない。

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著者プロフィール

  • 粕谷秀樹

    粕谷秀樹 (かすや・ひでき)

    1958年、東京・下北沢生まれ。出版社勤務を経て、2001年、フリーランスに転身。プレミアリーグ、チャンピオンズリーグ、海外サッカー情報番組のコメンテイターを務めるとともに、コラム、エッセイも執筆。著書に『プレミアリーグ観戦レシピ』(東邦出版)、責任編集では「サッカーのある街」(ベースボールマガジン社)など多数。

  • 三笘薫

    三笘薫 (みとま・かおる)

    1997年5月20日生まれ。神奈川県川崎市出身。筑波大学2年時の2017年に全日本大学選抜に選ばれ、夏季ユニバーシアードでの金メダル獲得に貢献。同年に川崎フロンターレの特別指定選手として登録されると、18年に20年のシーズンからの同クラブへの加入内定が発表された...

【図】三笘薫のブライトン2024-25シーズン基本フォーメーション

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