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【プレミアリーグ】三笘薫のステップアップ移籍は焦るべからず 開幕時はブライトンでプレーしたほうがいい理由 (2ページ目)

  • 粕谷秀樹●取材・文 text by Kasuya Hideki

【アーセナル移籍の線も消えた】

 一方、アーセナルは左ウイングを欲していた。30歳になったレアンドロ・トロサールは売り時で、ガブリエウ・マルティネッリはより多くの出場機会と大幅な昇給を要求した。「両選手とも放出か」「レアル・マドリードのロドリゴ獲得か」「三笘もあるぞ」とメディアは色めき立った。

 だが、左ウイングはクルスタル・パレスのエベレチ・エゼで落ち着きそうだ。攻撃のアイデアだけではなく、守備の貢献度も高いイングランド代表である。ミケル・アルテタ監督もいたくお気に入りだという。

 なお、すでにレアル・ソシエダのマルティン・スビメンディを獲得するために5100万ポンド(約99億円)、ブレントフォードのクリスチャン・ノアゴールには1500万ポンド(約29億円)を支払っている。

 また、5000万ポンド(約98億円)を投じてチェルシーからノニ・マドゥエケを補強寸前で、エゼの契約解除金は6750万ポンド(約132億円)もかかる。そしてスポルティングとの交渉が大詰めとされる(破談の恐れもある)ヴィクトル・ギェケレシュには、少なくとも7000万ポンド(約136億円)が必要だ。

 つまり今夏のアーセナルの補強には、2億5350万ポンド(約494億円)ものビッグマネーが動くことになる。大盤振る舞いである。

 アーセナルの直近3シーズンの収支を踏まえると、プレミアリーグ独自のPSR(Profit and Sustainability Rules/収益性と持続可能性に関する規則)に違反する怖れはないが、次なる補強があるとすれば数人を売却してからの話になる。こうして、アーセナルの線も消えた。

 それでも、三笘の名は移籍市場でくすぶっている。特別に優れた左ウイングであることは周知の事実だからだ。本人もステップアップをあきらめたわけではなく、好条件のオファーが届けば新天地を求めるのではないだろうか。

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