貧打に悩む西武「送りバントはアリかナシか」 浅村、森、そして山川も...主軸のいない山賊打線・崩壊後の問題点 (5ページ目)
【西武打線に足りないのはあとわずか】
性格や公(おおやけ)の場での振る舞い方は人それぞれだが、筆者が放送作家を務めた新年のラジオ番組で秋山が興味深い話をしていた。
広島の新井貴浩監督は得点時、選手たちより先に飛び上がるほど大きなジェスチャーで喜びを表わす。その姿を見ていると、モチベーションが自然に高まるというのだ。さらに、新井監督は自然にそう振る舞っているのか、あるいは演じているのだろうかと秋山は話していた。
同じユニフォームを着て戦う指揮官の振る舞いは、当然、選手たちもよく見ている。あと1点、あと1本をどうにか手にするべく、松井監督はもっと気持ちを前面に出してもいいのではないだろうか。感情論に近いが、今の西武がすぐに打てる策は限られている。
おそらく、打線の苦境はなかなか変わらないだろう。だが、決して大敗を繰り返しているわけではなく、足りないのはあとわずかだ。微差をどうひっくり返し、勝利をもぎ取っていくか。ファンは少なくとも、必死で戦うチームの姿勢を見たいはずである。
著者プロフィール
中島大輔 (なかじま・だいすけ)
2005年から英国で4年間、当時セルティックの中村俊輔を密着取材。帰国後は主に野球を取材。新著に『山本由伸 常識を変える投球術』。『中南米野球はなぜ強いのか』で第28回ミズノスポーツライター賞の優秀賞。内海哲也『プライド 史上4人目、連続最多勝左腕のマウンド人生』では構成を担当。
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