【ワールドカップ】サッカー日本代表の戦いをスペインの名指導者が分析 「殊勲は中盤だった」
ミケル・エチャリの日本代表総括(前編)
「グループステージ3試合を通じて、日本代表はとにかく3バックの運用に優れていた」
スペインの慧眼、ミケル・エチャリは、北中米ワールドカップの日本のグループステージを振り返って、そう分析している。エチャリはレアル・ソシエダで約20年、ダイレクター、育成ダイレクター、Bチーム監督などを歴任。その戦術眼は名将ジョゼップ・グアルディオラにも敬愛されているほどだ。
「初戦のオランダ戦から3-4-2-1をうまく運用できていた。そのカギをひと言で言えば『Coraje(勇敢さ、勇気)』だろう。日本の選手たちは、オランダの選手を少しも恐れていなかった。これは簡単なようで、簡単ではない。日本は強敵に2度にわたってリードされながら、2度も追いついた。最後まで勇気を振り絞って戦い続けることができたからだ」
「チュニジア、スウェーデンという同じ3バックのチーム相手に対しては、戦術的に組織で上回っていた。選手個人の力量が向上したこともあるだろうが、チームとして積み上げてきたものの違いも出た。オランダには『いい守りがいい攻めを作る』になっていたし、チュニジア戦、スウェーデン戦は攻守で優位に立っていて、中盤の強固さが際立った」
エチャリはそう言って、森保ジャパンの完成度の高さを称賛した。オランダ(2-2)、チュニジア(4-0)、スウェーデン(1-1)の1勝2分けでグループステージを2位で突破。森保ジャパンの快進撃を予想していた彼に、その中身を掘り下げてもらった。
スウェーデンに引き分け、グループステージを2位で突破した日本代表 photo by JMPA「日本は何をやるべきか、何をしてはいけないのか、どこにいるべきか、どこにいるべきではないのか、そこが明確だった。各選手がしっかりポジションを取っていることで、相手の好きなようにさせていない。勝ち点を奪えたのは必然だった。
とりわけ、カバーリングの意識の高さには特筆すべきものがあった。相手に攻められて、ひとりがボールホルダーに寄せたとき、もうひとりが必ずカバーのポジションを取っていた。確かに基本的なことではあるが、それが徹底されていたと言える。さらに言えば、その相互補完の精度によって、ボールに激しく詰め寄ることができていたのである」
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著者プロフィール

小宮良之 (こみやよしゆき)
スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。パリ五輪ではバレーボールを中心に取材。


