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【高校野球】名将も「化け物クラス」と絶賛 仙台育英・田山纏が"右投左打の外野手"という逆風でもプロ一本を貫く理由

  • 菊地高弘●文 text by Takahiro Kikuchi

次代を担う逸材たち〜アマチュア野球最前線 
第17回 仙台育英・田山纏

 グラウンドに立っているだけで、不思議と華やいで見える。抽象的な表現になってしまうが、野球選手のなかにはそんなエネルギーを放射する選手がいる。

 1年前の6月。仙台育英の守備練習を見ていて、右翼を守る選手に釘づけになった。遠投120メートルという爆発的なスローイングはもちろん魅力だったが、それ以上に見る者に訴えかけてくるものがあった。よく通る声、精悍な表情、明るいムード。この選手が発する"覇気"というべきか。しかも、その選手が2年生と聞いて、ますます興味をそそられた。

昨年夏の甲子園でも活躍した仙台育英・田山纏 photo by Takahiro Kikuchi昨年夏の甲子園でも活躍した仙台育英・田山纏 photo by Takahiro Kikuchiこの記事に関連する写真を見る【指揮官も大絶賛の異質な打撃】

 仙台育英の須江航監督は、その右翼手の名前が田山纏(まとい)だと教えてくれた。そして、須江監督の田山評に、私は思わず膝を打った。

「打者としても人間としても、度会隆輝くん(DeNA)に似ているかもしれません」

 度会もまた、アマチュア時代から陽のオーラを発散する選手だった。その天真爛漫な笑顔を見るだけで、こちらもつられて笑ってしまう。そんな度会と、田山が重なって見えるのは同感だった。

 あれから1年が経ち、田山は希望進路を「プロ一本」と絞るほどの注目選手になっている。身長178センチ、体重84キロの鍛え上げられた肉体。高校通算22本塁打(6月28日時点)、広角に強い打球を放つ打撃力。前述のとおり、見る者を惹きつける雰囲気と強肩も備える。

 ただ、避けては通れないネガティブな要因もある。それは田山が「右投左打の外野手」という点だ。近年はプロ野球界で右投左打の外野手が飽和状態にあり、同じ属性の選手がドラフト指名を受けるハードルが高まっている。高校時点でのプロ志望届の提出を見送り、進学に舵を切る有望選手も目立っている。

 当然ながら、仙台育英サイドもプロ側の事情を把握している。そのうえで、田山がプロ志望を固めた背景には何があったのか。須江監督に聞くと、意外な答えが返ってきた。

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著者プロフィール

  • 菊地高弘

    菊地高弘 (きくち・たかひろ)

    1982年生まれ。野球専門誌『野球小僧』『野球太郎』の編集者を経て、2015年に独立。プレーヤーの目線に立った切り口に定評があり、「菊地選手」名義で上梓した『野球部あるある』(集英社/全3巻)はシリーズ累計13万部のヒット作になった。その他の著書に『オレたちは「ガイジン部隊」なんかじゃない! 野球留学生ものがたり』(インプレス)『巨人ファンはどこへ行ったのか?』(イースト・プレス)『下剋上球児 三重県立白山高校、甲子園までのミラクル』(カンゼン)など多数。

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