貧打に悩む西武「送りバントはアリかナシか」 浅村、森、そして山川も...主軸のいない山賊打線・崩壊後の問題点 (4ページ目)

  • 中島大輔●取材・文 text by Nakajima Daisuke

【松井監督の会見は腹の底が見えず「面白くない」】

 チーム成績を見ると打率.206、出塁率.275、長打率.306はいずれも最下位。首位ソフトバンク(打率.258、出塁率.343、長打率.371)とは大きく差をつけられている。

 打って得点する期待が低いなか、4月21日の楽天戦で1点を追う9回裏、先頭打者の外崎が出塁すると松井監督は代走に俊足の髙松渡を送り、4番ヘスス・アギラーの場面で盗塁を指示した。

「セーフになる自信があるのであれば、思いきって行っていいという指示を出しました。そのなかで見事ですね。なかなかあそこはスタートを切れない難しい場面ですけど、本当に勇気を持って走ってくれたと思う」

 得点には至らなかったが、最後の最後に大きな見せ場がつくられた。盗塁もリスクのある作戦だが、今の西武は足を絡めていくしかないだろう。

 どうやって、あと1点、あと1本を引き出すか。そして、1点でも少なく抑えるか──。

 その意味で、松井監督が珍しく感情的になった会見がある。4月10日のロッテ戦で2対2の延長10回表、一死二、三塁で、3番ネフタリ・ソトに勝負して決勝センター前タイムリーを打たれた場面だ。4番には守備から途中出場した茶谷健太が入っており、ソトを歩かせるという選択肢もあっただろう。

「そこも考えましたけどね。これは結果論なんで、打たれればこっちの責任ですから。ああだ、こうだ言うつもりもないし」

 質問した記者が「仮に満塁にしたら、代打に角中勝也も残っていたが」と続けると、松井監督は目を大きくひんむいた。

「たらればを言うと、きりがないですから。僕も評論家じゃないし。そこで打たれたら、もう僕の責任。それだけだと思います。はい、以上です」

 昨季就任して以来、松井監督の会見は「面白くない」と記者陣にささやかれ、筆者自身もそう感じてきた。選手に気を遣うような発言が多く、腹の底が見えないからだ。

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