貧打に悩む西武「送りバントはアリかナシか」 浅村、森、そして山川も...主軸のいない山賊打線・崩壊後の問題点 (2ページ目)

  • 中島大輔●取材・文 text by Nakajima Daisuke

【21年ぶりのパ・リーグ連覇を支えた強力打線の今】

 セイバーメトリクスの見地から言えば、松井監督の答えは的を射ている。「実は手堅くない送りバント『損益分岐点』は打率1割」。そう題した日本経済新聞・電子版の記事によると、2014年〜2018年のNPBで無死一塁からの得点確率は40.2%に対し、一死二塁からだと同39.4%(※得点確率は特定の状況から少なくとも1点が入る可能性)。バントは1点を取りにいくうえでも、確率を下げるのだ。

 前提として筆者は、送りバントが好きではない。進塁の可能性が100%ではないのに自らアウトを差し出すのは得策ではなく、何よりプロスポーツとして面白くないからだ。

 それでも、上記の場面は「送ってもいいのでは」と頭をよぎった。それくらい今の西武打線に連打は期待しにくいからだ。

 SNSでは松井監督の采配を疑問視する声も聞こえるが、打てない理由を監督だけに押しつけるわけにはいかない。そう考えるうえで、耳から離れない言葉がふたつある。

 ひとつ目は、外崎修汰が『山賊打線』について振り返っていたことだ。

「2018年、2019年の打線があれほど打てたのは、相乗効果も大きかったと思いますね。バッター心理からすると、やっぱり"流れ"はあります。ヒットが続いたら、自分も積極的に打ちにいきやすいですよ。余計なことを考えなくて済みますからね。

『自分が凡打になっても、うしろのバッターが打ってくれる』と思うから、甘い球が来れば初球から積極的に振っていける。そうやって、周りに乗せられて打つことがすごくありました」

 21年ぶりのパ・リーグ連覇を飾った当時。防御率リーグ最低の投手陣をカバーしたのは、強力打線だった。

 それから5年が経つ間、浅村栄斗(2019年〜楽天)、秋山翔吾(2020年〜シンシナティ・レッズ→2022年〜広島)、エルネスト・メヒア(2021年退団)、森友哉(2023年〜オリックス)、山川(2024年〜ソフトバンク)が抜けた。

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