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奥川、吉田、佐々木で今季一番輝くのは誰か。岩本勉が「まとめてぶった切ります」 (2ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Seiya Shimamura
  • photo by Kyodo News

 高卒投手が直面する壁に、岩本氏は、コンディションの調整などを含む「体力」、そして「ストライクゾーン」を挙げる。

「まずはシーズンを投げ続けられるだけの体力。その次にストライクゾーンの狭さに驚きます。高校野球と比べれば、体感的に3分の1くらいしかないイメージです。高校時に150キロを投げていたピッチャーが、プロでは140キロくらいしか出せなくなるケースがありますよね。あれはコントロールを意識しすぎることで、体の動きが制御されてしまうからだと思います。

『松坂大輔(西武)や田中将大(楽天)は1年目から活躍できたじゃないか』と言う人がいますが、彼らは、真ん中目がけてストレートを投げれば勝負ができた。あんな馬力を持つ高卒ピッチャーは例外中の例外です」

 そうした壁にほとんどの投手が直面するからこそ、昨年奥川が一軍で投げた経験は大きなアドバンテージになると話す。

「一軍のマウンドに立ったことで、去年のオフから自主トレにかけて、神宮球場で投げるイメージを頭に描けたはず。これは大きいですよ。二軍のままで終わっていたら、描くのは(ヤクルトの二軍本拠地である)戸田球場で投げるイメージばかりですからね(笑)」

 その言葉のとおり昨年の経験が生きたのか、奥川は今春のキャンプから一軍に帯同した。高津臣吾監督は、奥川を開幕3戦目(3月28日の阪神戦)で先発させることを明言。スタミナ面での不安は残すが、一軍の舞台で球数やイニング数を伸ばしていく方針をとった。

「奥川くんの表情を見ていると、乗り越えるべき壁を自分で理解できている感じがします。壁を一つずつ乗り越えて、順調にバージョンアップしていけば、今年の秋くらいには『来年(2022年)のノルマは2ケタ勝利やろ』と言われるくらいの投手になるでしょう。

 ただね、不安材料があるとすれば、奥川くん、フリー打撃のピッチャーを務めた後とかに、『楽しかった』ってコメントを残してたでしょ......まあ、このことについては、あとで3人まとめてぶった切ります(笑)」

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