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奥川、吉田、佐々木で今季一番輝くのは誰か。岩本勉が「まとめてぶった切ります」 (4ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Seiya Shimamura
  • photo by Kyodo News

抜群の"しなり"を持つ佐々木朗希。課題はコントロールか?

 2019年4月、高校日本代表候補合宿で、大船渡(岩手)の佐々木は非公式ながら球速163キロを記録。甲子園出場はかなわなかったが、同年のドラフトで4球団から1位指名され、交渉権を獲得したロッテに入団した。

 昨年は吉井理人投手コーチのもとで1年間を費やし、その間、実戦登板が1度もなかったことでさまざまな憶測を呼んだ。

「これほどベールに包まれた野球選手は初めてじゃないですか。はっきり言って英才教育ですよね。昭和気質の僕としては、そのことで周囲から不協和音が出ないのか。温室で育てることが本当にいいことなのか。本人はそれでいいのか。いろいろなことを考えさせられました」

 3月12日、佐々木は中日との試合で実戦初登板を果たす。結果は12球で三者凡退に抑えこんだ。

「(実戦デビューは)カット気味のストレートで最速は153キロ。投球を見て改めて思いましたが、超一流の素材でした。これは間違いない。例えば、5千円の釣り竿と、10万円の釣り竿を並べたときに、佐々木くんは断然後者です。竿(腕)のしなりが全然ちがう。今後、佐々木くんがもっと腕をしならせるフォームを手に入れれば、本当にえげつないボールを投げると思います。投手の素質だけを見れば、大谷(翔平/エンジェルス)越えの可能性もあるでしょう」

 岩本氏は「素材」という言葉を強調した。

「実は、手足の長い、しなり系のピッチャーは、成功するのが難しいんですよね。数少ない成功例で言えば、最近では大谷。過去を思い返せば、今中さん(慎二/元中日)や西崎さん(幸広/元日本ハム)です。僕はこれまでのプロ野球選手のなかで、西崎さんのフォームが一番美しいと思っています。先日も天王寺動物園でフラミンゴを見た時、西崎さんを思い出しました(笑)」

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