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奥川、吉田、佐々木で今季一番輝くのは誰か。岩本勉が「まとめてぶった切ります」 (3ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Seiya Shimamura
  • photo by Kyodo News

"押しの強さ"を持つ吉田輝星。2ケタ勝利を挙げる条件

 2018年、金足農業(秋田)のエース・吉田は、夏の甲子園100回大会で決勝進出。大阪桐蔭(大阪)に敗れるも、大会合計881球、62奪三振の力投は、見る者の胸を打った。

「はじめて彼の投球を見た時、こんなにいい投げ方をする投手がいるんだと感心しましたね。足の運びがすばらしく、槙原(寛己/元巨人)さんや、桑田(真澄/現巨人投手チーフコーチ補佐)さんを彷彿とさせました。足をあれだけ前にスムーズに運べるので、下半身から上半身へ力が流れるように連動する。だから腕を意識的に振るのではなく、下半身と体幹で"振らす"ことができる。でんでん太鼓のように腕がバチーン!と振れるんです」

 吉田は1年目にプロ初勝利を挙げるも、昨年は0勝2敗と実力を発揮できず。岩本氏は「ファイターズの後輩なので、取材で話す時間が長いのですが、やはり投手としての素材はピカイチです」と話し、次のように続ける。

「自信の表れでしょうね、2月のキャンプではいつもピッチャー集団の先頭に立って歩いていた。彼はプロ入り後の2年間で酸いも甘いも味わい、その経験をもとにオフシーズンの練習を積み重ねています。そのなかで新しい自分に出会ったはずです。今は新たな"吉田輝星"を表現したくてたまらないんじゃないでしょうか(笑)」

 岩本氏は「ファイターズが辛抱して起用すれば、吉田くんにとっていい土台がつくれるシーズンになるのではないか」と語る。

「彼の魅力は『押しの強さ』。他の投手よりも軸足でプレートを強く押せる。体全体の力を連動させてボールを強く押し出せる。これによってボールにスピンを与えられるので、バッターはストレートとわかっていても、差し込まれてファールになります。

 ボールが先行して困った時に、この真っすぐでファールを取ることを覚えたら、吉田くんは2ケタ勝ちますよ。ただそのためには今できることだけに目を向けて、背伸びはしないでほしい。まずは押しの強さというストロングポイントを、ただただ表現すること。そうすればキャッチャーやまわりが勝利へ導いてくれますから」

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