2021.03.24

奥川、吉田、佐々木で今季一番輝くのは誰か。岩本勉が「まとめてぶった切ります」

  • 島村誠也●文 text by Seiya Shimamura
  • photo by Kyodo News

『特集:We Love Baseball 2021』

 3月26日、いよいよプロ野球が開幕する。8年ぶりに日本球界復帰を果たした田中将大を筆頭に、捲土重来を期すベテラン、躍動するルーキーなど、見どころが満載。スポルティーバでは2021年シーズンがより楽しくなる記事を随時配信。野球の面白さをあますところなくお伝えする。

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 江川卓、桑田真澄、松坂大輔、田中将大......。高校野球の歴史を彩ったスターピッチャーたちは、野球ファンにとって「特別な存在」だ。その後、彼らが活躍する舞台は高校野球からプロ野球の世界へ広がっていく。だが、"プロの壁"に直面し、輝きを失う投手も少なくない。

 まもなく開幕を迎える2021年シーズンでは、世代を牽引した、奥川恭伸(ヤクルト/2年目)、吉田輝星(日本ハム/3年目)、佐々木朗希(ロッテ/2年目)が、各チームの"エース"になるべく奮闘している。若き3人の現在地と課題について、現役時代は日本ハムのエースとして活躍した解説者の岩本勉氏に語ってもらった。

ヤクルト・奥川恭伸(左)、日本ハム・吉田輝星(中央)、ロッテ・佐々木朗希(右)"エースの人格"を持つ奥川恭伸。プロの壁を乗り越えられるか?

 奥川は星稜(石川)2年生時のセンバツから4期連続で甲子園出場。2019年の夏の甲子園、智弁和歌山(和歌山)との試合(3回戦)では、延長12回165球を投げ抜き23奪三振。チームを勝利に導いた。決勝では履正社(大阪)に破れるも準優勝投手に。

「高卒で考えたとき、奥川くんは近年のピッチャーで一番完成度が高かったかな。先を進んでいる投手だなと感じました。何より、彼がチームメイトへ向ける眼差しですね。ピッチャーとして理想の"人格"を持っている。ピッチャーは1ヘクタールほどの球場のなかで、一人だけ丘の上に立つことが許されたポジションです。そこからピッチャーが止まったボールに力を与えることで、野球がはじまる。言い換えれば、野球というドラマの起点になっているわけです。

 プロ野球ではそのドラマが、選手たちの生活に直接反映され、その奥には家族や裏方さんもいる。ピッチャーはそのことを理解して、『チームメイトのために』プレーしていると、まわりから思われるような雰囲気が必要なんです。奥川くんは高校3年時に、すでにそれを表現できていました。だから、イニングが終わってベンチに戻る彼にみんなが声をかけていたし、奥川くんも打席に立つ選手に積極的に声を出していた。僕はああいう野球人が大好きなんです」

 プロ1年目となった昨年は、上半身のコンディション不良などで調整期間が長く続いたが、シーズン最終試合となった広島戦(神宮)で一軍初登板。2回0/3を9安打5失点と打ち込まれ、敗戦投手になった。