【男子バレー】西田有志、宮浦健人が体現する「チーム力」 日本の躍進はこうしてもたらされた
大阪で開催されているバレーボールネーションズリーグ(VNL)予選ラウンドで、日本は破竹の11連勝を飾っている。首位でのファイナルラウンド進出も決めた。躍進の理由をひとつに特定するのは難しい。バレーボールはベンチも含めて全員でするスポーツだからだ。
しかし、オポジットという攻撃に特化したポジションに、西田有志(26歳、大阪ブルテオン)、宮浦健人(27歳、ウルフドッグス名古屋)という"ふたりの剣客"が控えているのは大きい。ケモノのように敏捷に跳び上がり、左腕を鋭く振り抜くとき、抜刀して敵を打ち果たすかのように映る。ふたりがかわるがわる出場することで、禍々(まがまが)しいまでの"斬撃力"が落ちない。
ベルギー戦で強烈なスパイクを決める宮浦健人 photo by FIVB「(ふたりいるのは)気持ちが楽というか......僕がダメでも宮浦さん、宮浦さんがダメでも僕がいるっていうのはありますね」
西田は言う。昨シーズンは代表活動を休養したが、今シーズンは戻ってきた。
「僕らは切磋琢磨していますけど、勝負しているわけじゃない。お互いリスペクトしているからこそ、練習もしっかりできています。去年は宮浦さんひとりで、ずっとプレーするのはしんどい状態だったと思いますね。そこを50対50でできればいいのかなと。"自分がダメだとあとがない"っていうのは無理があるし、お互いがバックアップできるのがいい関係かなって」
もしかすると彼らふたりが、誰よりも"ふたり体制"に手応えを感じているかもしれない。VNL日本ラウンドは3日連続で試合が続いたが、第1戦のイタリア戦と第2戦のカナダ戦は西田が先発し、第1戦では宮浦も途中出場して、第2戦では途中から宮浦にスイッチした。第3戦のベルギー戦は宮浦が先発。この"当番制"が思った以上にうまくいった。それぞれ、試合の流れを決める一撃を放っている。
来るべきロス五輪は、VNLなど比較にならないほどの重圧のなかで、ほぼ連日の試合になる。それだけに、ふたりの剣客が揃ったのはメリットと言える。刀が刃こぼれせず、切れ味を保ち、かわるがわる戦える。それは海外のデカくてパワーのあるオポジットの破壊力をも凌ぐだろう。
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著者プロフィール

小宮良之 (こみやよしゆき)
スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。パリ五輪ではバレーボールを中心に取材。


