【MLB】お金が少なくても勝てる。若手発掘、育成、考える野球で常勝軍団へと上り詰めた「ブルワーズ流組織論」
スモールマーケットのブルワーズが勝てる理由(後編)
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今年6月のメジャーデビュー戦で球速164.6キロを記録したブルワーズのジェイコブ・ミジオロウスキー photo by Getty Imagesこの記事に関連する写真を見る
【育成、スカウティング、チーム状況の3つの軸】
今季、ナ・リーグ中地区で3連覇を飾ったミルウォーキー・ブルワーズ。その戦力に目を向けると、大きな衝撃を与えたのが23歳の"怪物"右腕投手、ジェイコブ・ミジオロウスキーだった。6月12日のメジャーデビュー戦では2メートルの長身から球速102.3マイル(164.6キロ)を計測。たった5試合の登板でオールスターに選出された。
こうした若手を発掘して着実に育てていけるのは、昨季最優秀エグゼクティブ賞に輝いたマット・アーノルドGMを中心とする組織体制がある。今年ブルワーズの国際スカウトに就任した色川冬馬氏が育成について語る。
「ウチのGMはレイズに入団してから、スカウティング畑を歩んできました。ブルワーズでも、スカウトメンバーにしっかり対応がとれています。球団のデベロップメント(選手育成)、スカウティング、チーム状況という3つの軸が一致した時、今年のようにミジオロウスキーが出てきて、長らく在籍するクリスチャン・イエリッチが活躍し、ドミニカの施設(アカデミー)から育ったチョーリオのような選手がパフォーマンスを発揮すると、マーケットの小さい集団でも勝負できる。それがアメリカの面白さのひとつです」
色川氏はスカウトに就任する前の2023年、ブルワーズの育成力を目の当たりにしたことがある。アジアンブリーズという、トラベリングチームでブルワーズのマイナーチームと対戦した時のことだ。アリゾナの球団施設を訪れると、バックスクリーンに各種トラッキングデータが映し出されるなかで試合が実施された。
ブルワーズは打者の育成においてスイングスピードと選球眼を大切にしており、バックスクリーンにトラッキングデータを映すのは後者を養うための意味合いがあるという。色川氏が説明する。
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著者プロフィール
中島大輔 (なかじま・だいすけ)
2005年から英国で4年間、当時セルティックの中村俊輔を密着取材。帰国後は主に野球を取材。新著に『山本由伸 常識を変える投球術』。『中南米野球はなぜ強いのか』で第28回ミズノスポーツライター賞の優秀賞。内海哲也『プライド 史上4人目、連続最多勝左腕のマウンド人生』では構成を担当。










































