【高校野球】4年ぶり歓喜の陰で... 「大阪桐蔭史上最高の投手になるかも」と評された吉岡貫介はなぜ決勝で登板しなかったのか? (3ページ目)
その頃から、大阪桐蔭の周辺でも吉岡の名を耳にする機会は確実に増えていった。たとえば、前チームのエース・中野大虎(現・ENEOS)はこう語っていた。
「アイツのストレートはモノが違います。胸郭が柔らかく、よく開くんです。その分、肩の回りもスムーズで、リリースまでの距離も取れる。球速だけでなく、ボールの質が高いんです。自分のなかでは、順調にいけば石垣(元気/健大高崎→ロッテ)くらいの評価になるというか、そのレベルの可能性を感じています」
中野とともに前チームで大阪桐蔭のマウンドを支えた森陽樹(現・オリックス)が絶賛したのは、キャッチボールだった。
「試合前のキャッチボールを見てください。とにかくエグいっす。自分も『おまえのキャッチボールはエグい』って言われるんですけど、その上をいっています。どこまでいってもボールが垂れないですから」
大阪桐蔭でおもにスカウティングを担当する石田寿也コーチは、昨夏前の時点でこう語っていた。
「回転数は森並み、回転効率(ホップ成分を示す指標)は中野並み。ふたりのいいところを備えたストレートです」
さらに、これまで幾人もの怪物を見てきた西谷監督も、その球質をこう表現する。
「ストレートが"飛んでくる"んです。僕のなかでは弾丸のイメージで、打者に迫ってくるほどボールが大きく見える。ほかとはちょっと違うストレートです」
【怪物覚醒の直後に訪れた異変】
昨夏のチームには中野、森という二枚看板がいたため、吉岡の大阪大会での登板は、決勝までの7試合中わずか2試合にとどまった。
記録を振り返ると、3回戦(星翔戦、13対0)では1イニングを投げ、奪った3つのアウトはすべて三振。つづく4回戦(天王寺戦、16対2)では先発し、2回を投げて被安打1、奪三振3と、片鱗を感じさせる結果を残している。
そんな吉岡がベールを脱いだのは、昨年の秋だった。
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