【高校野球】公立の雄・東筑の青野浩彦監督は「常識を疑う」 原点は甲子園ベンチでのドリンク飲み放題 (4ページ目)
鞍手での指導も6年目を終え、ようやく自身の教えが浸透し始めていた2016年春。再び東筑へ戻ることになった。後ろ髪を引かれる思いもあったが、切り替えて後輩たちの指導に集中。
1年目の夏はまたも初戦敗退だったが、翌2017年夏、2年生エースの石田旭昇(法政大→現・FBS福岡放送アナウンサー)を擁し、21年ぶり6度目の夏の甲子園出場を決めた。
翌2018年春の選抜にも2季連続、20年ぶり3度目の出場を果たす。春夏計9度の甲子園で、石田姓のエースがじつに5度と、『石田伝説』も受け継がれている。
青野監督は8月15日、育成功労賞の表彰式のため、選手たちより一足早く聖地の土を踏むことが決まっている。8年ぶり夏の甲子園を決め、自身の現役時代と同じく2回戦まで突破すれば、当日に3回戦を戦う可能性もある。
「9回まで負けていたらドキドキはしないけど、勝っている時は試合が進まず、ドキドキします。1勝をするためにめちゃくちゃ考えて、勝ったら次、そしてまた勝ったら次という考えは変わりません。いつでも甲子園に行きたいと思ってやっています」
公立校ながら、福岡北部第1シードと優勝候補で臨む今夏。青野監督の胸の鼓動は、当分の間収まりそうにない。
著者プロフィール
内田勝治 (うちだ・かつはる)
1979年9月10日、福岡県生まれ。東筑高校で96年夏の甲子園出場。立教大学では00年秋の東京六大学野球リーグ打撃ランク3位。スポーツニッポン新聞社でプロ野球担当記者(横浜、西武など)や整理記者を務めたのち独立。株式会社ウィンヒットを設立し、執筆業やスポーツウェブサイト運営、スポーツビジネス全般を行なう
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