「夏の甲子園ベストナイン」を現地取材記者5人が選出! 強打から堅守へ、新時代で輝いた選手は? (4ページ目)

健大高崎の強肩、強打の捕手・箱山遥人 photo by Ohtomo Yoshiyuki健大高崎の強肩、強打の捕手・箱山遥人 photo by Ohtomo Yoshiyukiこの記事に関連する写真を見る田尻賢誉氏(ライター)

投手/西川大智(小松大谷)
捕手/箱山遥人(健大高崎)
一塁手/佐坂悠登(智辯学園)
二塁手/小島想生(関東一)
三塁手/日賀琉斗(東海大相模)
遊撃手/市川歩(関東一)
外野手/上川床勇希(神村学園)
外野手/入耒田華月(神村学園)
外野手/長谷川颯(京都国際)

 投手は、大阪桐蔭を92球で5安打完封した小松大谷の西川大智。球速は130キロ台と平凡ながら、走者なしでもボールを長く持って間を変え、クイックを交えてタイミングを外す投球は見事だった。ぜひ、全国の高校生投手は参考にしてもらいたい。

 捕手は健大高崎の箱山遥人。智辯学園戦では一塁手の森山竜之輔と息の合ったサインプレーで、一塁ランナーをけん制で刺した。バントの打球に勢いよく飛び出してのランニングスローと守備で成長を見せた。今年の健大高崎は秋の関東大会で負けて泣くほどの熱いチームだったが、その熱量も箱山が雰囲気をつくったからこそ。キャプテンとしての姿勢もすばらしかった。

 一塁手は智辯学園の佐坂悠登。初戦の岐阜城北戦では5安打と、振ればヒット状態。俊足ではないが、投球がワンバウンドになると見越して軌道でスタートする走塁も見せた。二塁手は関東一の小島想生。球際の強さは、すばらしいのひと言に尽きる。明徳義塾戦の勝利は小島のファインプレー抜きには語れない。

 三塁手は東海大相模の日賀琉斗。雨が少なく、高く跳ねる今夏の甲子園で難しいバウンドをいとも簡単にさばく守備力は圧巻だった。遊撃手は優勝した京都国際の藤本陽毅と迷ったが、好守を連発した関東一の市川歩。打力こそないが、その分、失点を何点防いだか。小島との二遊間コンビがいなければ関東一が決勝まで勝ち上がることはなかった。低反発バット元年にあらためて守備の大切さを教えてくれた。

 外野手は神村学園からふたり。左翼手・上川床勇希は167センチ、中堅手・入耒田華月は166センチとともに小兵だが、徹底して逆方向を意識する打撃で内からバットを出し、結果を残した。上川床は22打数11安打の打率5割、全試合で打点を挙げる活躍。入耒田は中京大中京戦で貴重な本塁打を放った。

 右翼手は京都国際の長谷川颯。元投手で強肩を期待されながら、センバツの青森山田戦ではバックホームで刺せず悔し涙。準決勝で再戦した青森山田戦では劣勢の6回表に同点の2点タイムリーを放ち、その裏は一塁から三塁を狙った走者を見事な返球で刺してリベンジを果たした。

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