「夏の甲子園ベストナイン」を現地取材記者5人が選出! 強打から堅守へ、新時代で輝いた選手は? (3ページ目)

大社の93年ぶりベスト8の立役者となったエース・馬庭優太 photo by Sankei Visual大社の93年ぶりベスト8の立役者となったエース・馬庭優太 photo by Sankei Visualこの記事に関連する写真を見る元永知宏氏(ライター)

投手/馬庭優太(大社)
捕手/奥井颯大(京都国際)
一塁手/國光翔(早稲田実)
二塁手/三谷誠弥(京都国際)
三塁手/高崎亘弘(早稲田実業)
遊撃手/藤本陽毅(京都国際)
外野手/上川床勇希(神村学園)
外野手/飛田優悟(関東一)
外野手/藤森海斗(明徳義塾)

 今大会のホームラン数はわずか7本。大量得点が望めないために、緊迫したしのぎ合いが数多く見られた。早稲田実業と大社はその代表的な試合だろう。ひとつの四球、守備の綻び、ランナーの判断が勝敗を左右することになった。

 京都国際の中崎琉生、西村一毅、関東一の畠中鉄心、鶴岡東の桜井椿稀など左投げの好投手が目立つなかで、ひと際強いインパクトを残したのが大社の馬庭優太だ。4試合で投げた492球すべてに渾身の力を込めていたように見えた。複数投手による継投策はもう当たり前、こんなエースらしいエースはもう出てこないかもしれない。

 捕手は複数投手を巧みにリードした関東一の熊谷俊乃介、京都国際の奥井颯大、早稲田実業の宇野真仁朗を完璧に封じた億田知輝の3人で迷ったが、優勝校に敬意を表して奥井を選出。

 一塁手の國光翔のバント処理における身のこなしのよさと送球の速さ、正確性は見事というしかなかった。接戦やタイブレーク制で勝つためのお手本となるプレーだった。関東一のセンター・飛田優吾が見せた、準決勝・神村学園戦9回裏のバックホームも、後世に語り継がれる価値がある。

 最後に、早稲田実業と大社との試合で、途中出場したふたりの名前を挙げたい。9回のサヨナラ負けのピンチで5人目の内野手としてゴロを処理した早稲田実業の西村悟志、延長11回に代打で三塁線にバントを決めた大社の安松大希だ。今後も1点を巡る接戦が多くことが予想されるなかで、彼らのような仕事人の働きが勝利のカギを握ることになるだろう。

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