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大阪桐蔭「藤浪世代」の主将・水本弦が振り返る春夏連覇の快挙と、大谷翔平と韓国の街中で猛ダッシュの思い出 (7ページ目)

  • 谷上史朗●文 text by Tanigami Shiro

「『あの時、ああしていれば』とか、『もっと現役をやっておけば』とか、未練は1ミリもないんです。自分は向こうの世界で活躍する人間じゃないと、完全に線を引きました。だから、今もふつうにプロ野球をテレビで見ますし、知っている選手が出てきたらふつうに応援しますし、そこは完全に割り切ったっすね」

 ただ野球に未練はないが、グラウンドから離れ、「自分に何ができるのか」と考える時間が続いていた。いつスイッチが入り、次の一歩を踏み出せるのか。

「見えかかってはいるんです。いるんですけど、今はまだちょっと......」

 ジョッキが調子よくあいていくなか、何度かこれからの話を向けたが、この夜の水本からは最後まで明確なビジョンが語られることはなかった。

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著者プロフィール

  • 谷上史朗

    谷上史朗 (たにがみ・しろう)

    1969年生まれ、大阪府出身。高校時代を長崎で過ごした元球児。イベント会社勤務を経て30歳でライターに。『野球太郎』『ホームラン』(以上、廣済堂出版)などに寄稿。著書に『マー君と7つの白球物語』(ぱる出版)、『一徹 智辯和歌山 高嶋仁甲子園最多勝監督の葛藤と決断』(インプレス)。共著に『異能の球人』(日刊スポーツ出版社)ほか多数。

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