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【高校野球】「公立で1位になる」から「大阪で1位になる」へ 堺東が挑む集大成の夏

  • 谷上史朗●文 text by Tanigami Shiro

堺東高校「公立1位から大阪1位」への挑戦(後編)

 堺東は日々の練習、ふだんの生活のなかで「プライドづくり」に励む一方で、野球の戦いのなかで求めるのは「できることをやる」だ。しかし、これが容易ではない。監督の鈴木昭広が語る。

「特に公立校は、持っている力を発揮する前に自滅してしまい、負けることが多いです。力を出し切らなければ勝負にならないのに、選手たちは萎縮してエラーやフォアボールなどミスを重ねてしまう。私立の強豪といっても、高校野球なので大差はありません。しかし選手たちはそれを感じられず、怖がってしまう。

 選手が萎縮しているのを見ると腹が立ちます。これまで何のために練習してきたのか。試合後に『相手が強かった』となるのはわかりますが、やる前から怖がるのはなし。今の子は『無理』という言葉をよく使いますが、そう思った瞬間に勝てるチャンスもなくなる。自分たちの力を出しきって、やるべきことをやる。まずはそこなんです」

春の大阪大会でベスト8に進出した堺東 photo by Sportiva春の大阪大会でベスト8に進出した堺東 photo by Sportivaこの記事に関連する写真を見る

【大阪桐蔭戦での反省点】

 いかに相手と対等な意識で勝負の場に立てるか。春の大会では、やるべきことをやった結果としてベスト8に進出したものの、反省点もあった。主将で4番の長野真大が、大阪桐蔭戦を振り返る。

「あの試合もイメージとしたら、しっかり守って接戦に持ち込みたかったのに、取れるアウトを取れなかったり、アウトにできずそのあとホームランを打たれたり、センター前ヒットで二塁に進まれたり......。攻撃では、1回に先制できたのはよかったですが、そのあとは三振が多く、いつもできていたことが何もできなかった」

 最速は確認できている範囲で129キロ。それでも打者を差し込む球が持ち味の左腕エース・三井颯斗も反省の言葉を口にした。大阪桐蔭戦は4回途中で4失点し、マウンドを降りている。

「試合前はいろいろ攻め方を考えていましたが、ボールが多くなって思うようなピッチングができませんでした。どこに投げても打たれる気がして、打席からの圧をかなり感じました。さらに、整列の時から相手の体格のよさに圧倒され、小さい頃からテレビで見てきた相手だったので、戦う前から押されている気持ちがありました」

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著者プロフィール

  • 谷上史朗

    谷上史朗 (たにがみ・しろう)

    1969年生まれ、大阪府出身。高校時代を長崎で過ごした元球児。イベント会社勤務を経て30歳でライターに。『野球太郎』『ホームラン』(以上、廣済堂出版)などに寄稿。著書に『マー君と7つの白球物語』(ぱる出版)、『一徹 智辯和歌山 高嶋仁甲子園最多勝監督の葛藤と決断』(インプレス)。共著に『異能の球人』(日刊スポーツ出版社)ほか多数。

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