大阪桐蔭・前田悠伍は入学後負けなしの救世主。「打たれるわけがない、という気持ちは持っている」

  • 谷上史朗●文 text by Tanigami Shiro
  • photo by Taguchi Yukihito

 ここまで(3月22日現在)高校通算56本塁打の佐々木麟太郎(花巻東)の話題になると、いっそう目を輝かせた。花巻東の1回戦敗退により、今大会の対決は実現できなくなってしまったが。

「まだ生で見たことがないですけど、対戦してみたいですし、いいバッターには力勝負で抑えたい気持ちが強いです。たとえば、三振を狙う時に変化球っていうのは、あまり好きじゃない。決める時は真っすぐ。(佐々木と)力勝負したい気持ちはめちゃくちゃあります」

 オフの間、体力面の強化とストレートをより磨くことを主眼に、徹底して下半身を鍛え込んだ。前田が求めるのは「相手が狙ってきても打てないストレート」だ。

 ひと冬越えてストレートの手応えを確認すると、こんな答えが返ってきた。

「一昨日の練習試合で相手は完全にストレートを狙ってきていたと思うんですけど、そのなかでも押して、空振りや三振をしっかり取ることができた。また投げ始めたばかりですが、感触はよかったです」

 大阪桐蔭は24日の第1試合で鳴門(徳島)と戦う。

「任された試合で自分のベストを出す。冬の間、チームで言い合ってきた"春の日本一"を全力で獲りにいきます」

 ようやく目にすることができる前田悠伍のピッチングを堪能したい。

4 / 4

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る