ベイスターズ山本祐大が語る巨人・甲斐拓也へのライバル心 「負けたくないというより盗みたい」
横浜DeNAベイスターズ・山本祐大インタビュー(後編)
今やリーグを代表する捕手へと成長した横浜DeNAベイスターズの山本祐大。今季の目標は27年ぶりのリーグ制覇、そして2年連続日本一だ。さらに、その先には来年開催されるWBCもある。また、今季ソフトバンクから巨人に移籍した甲斐拓也への想いについても語ってもらった。
今季、27年ぶりリーグ制覇、2年連続日本一を目指すDeNAの山本祐大 photo by Koike Yoshihiroこの記事に関連する写真を見る
【グラウンドは傷つけあう場所ではない】
── よくキャッチャーは"忍耐"が大事だと言われます。山本選手は捕手として生きることについてまず何を思いますか。
山本 やっぱり"忍耐"って言葉が一番しっくりきますよね。苦しい状況でいかに我慢をできるか。あとはキャッチャーだからこそ楽しめることがいっぱいあるので、そこを今年は大事にしようと思っているんです。
── たとえばどういうことでしょうか。
山本 ピッチャーと会話をして相手を抑えるのはキャッチャーにしかできない仕事ですし、また監督から密接に指示を受けてプレーできるのも魅力ですよね。勝敗を左右するポジションですが、チームを操れるというのはキャッチャーの醍醐味だと思います。もちろん耐えなければいけない試合も多いですけど、あのヒリヒリとした緊張感を味わえるポジションですし、そこを楽しめたらなって思うんです。
── そのうえでチーム全体として高みを目指すわけですね。
山本 はい。やっぱりチームである以上、僕ひとり頑張ってもダメですし、それこそ全体を巻き込んでいかなければいけない。それが昨年できなかったことのひとつだったので、今年はキャプテンの牧と一緒に、苦しい状況下にあってもピッチャーと野手をいい方向に巻き込みながらやっていきたいと思います。
── チームの舵取り役として、昨年は調子の波を小さくすることに腐心したと以前おっしゃっていましたが、その点において今季はどのように考えていますか。
山本 やはり勝てない時期が続くとしんどいなと思うこともあるんですけど、それは別に僕だけじゃなくて、ほかの選手たちも真摯に考えているのはわかっているので、そういった意味では自分に入ってくるストレスは、昨年に比べるとすいぶん柔らかくなったように感じます。僕としてはしっかりとチームにフォーカスして、勝ちに導けるようにしていきたいですね。
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著者プロフィール
石塚 隆 (いしづか・たかし)
1972年、神奈川県出身。フリーランスライター。プロ野球などのスポーツを中心に、社会モノやサブカルチャーなど多ジャンルにわたり執筆。web Sportiva/週刊プレイボーイ/週刊ベースボール/集英社オンライン/文春野球/AERA dot./REAL SPORTS/etc...。現在Number Webにて横浜DeNAベイスターズコラム『ハマ街ダイアリー』連載中。趣味はサーフィン&トレイルランニング。鎌倉市在住