甲子園よりも大切なこと。
胸熱くなる高校球児たちの
「それぞれの夏物語」 (2ページ目)
1年半前からはチームに貢献しようと、自ら率先して相手校の分析を担い、選手の特徴やタイムなどをベンチで細かく記録して選手たちに伝えた。石山氏も「チームに欠かせない存在」と目を細める。
そして木村は、校内の学業成績も上位になり、指定校推薦での大学進学を視野に入れている。
チームは3回戦で敗退し、木村はほかの選手とともに涙を流したが、最後はしっかりと背筋を伸ばし、率直な思いを語った。
「最初は知っている人が誰もいないからこその不安がありましたが、みんなのおかげです。町の人も『いってらっしゃい』『おかえり』と声をかけてくれて、町全体が家族のような存在でした。苦しいこともあったけど、乗り越えることができたのは、今後につながる大きな財産になりました」
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