【駅伝】箱根駅伝総合優勝を目指す早大 花田勝彦駅伝監督が出雲駅伝前に分析する現在地 (3ページ目)
【駅伝への意識づけを強めたルーキー・鈴木琉胤】
――小平選手と同じ組では主力のひとり、間瀬田純平選手(4年)が14分3秒とタイムはまずまずでしたが、組13着でした。花田監督はどう評価されたのでしょうか。
「2kmぐらいで差し込み(腹痛)がきたらしいです。本当は13分台を出しておきたかったと思うんですけどね。間瀬田は、今シーズンの前半は就職活動をしていましたし、故障や体調不良もあってなかなか走れていませんでした。それを考えると悪くはないと思います。原因がはっきりしていますし、秋になると調子が上がってくる選手なので、そこまで心配はしていません」
――今年の箱根駅伝で6区を好走した山﨑一吹選手(3年)も気になりました。14分38秒かかっていましたが、なかなか調子が上がってきていないのでしょうか。
「山﨑も春に比べればよくなってきています。去年も夏までは全然よくなかったのですが、去年の今の時期と比べると、まずまずというところです。この夏は『箱根に向けた練習ができる体づくりをしよう』と話して、取り組んできました。まだ3カ月あるので(調子が上がってくるのは)これからです」
――ケガ明けの鈴木選手は、7月の日本選手権以来の実戦。それでも13分台にまとめたのはさすがでした。
「妙高合宿では、少しロング走を入れつつも、ジョグがメインでした。紋別合宿の後半から全体練習に加わり、最後の菅平合宿はほとんど一緒にできていました。
前半戦は試合が多かったので、当初は「秋は駅伝だけにしようか」と話していたんです。でも、思ったより調子が上がってきたこともあり、また、出雲の前に1本レースを走っておきたいという本人の意向もあったので出場しました。ただ、出力があまりにも大きいと出雲に合わなくなるので、(申告タイムが)一番遅い組で前半を、余裕を持ってゆっくり入るようにしました。
どのレースでも鈴木は、最初から自分でレースを作ってきましたが、駅伝では周りの流れに乗って入ることも大事です。そういった点も意識して走っていました」
――3kmまで抑えて、残り2kmで一気にペースアップしたのはそういうことなんですね。それにしても、もう全然不安はなさそうですね。
「でも、まだ8割ぐらいです。出雲、全日本と試合をこなしていくごとに、もっと調子は上がってくると思います。走り込み自体はほかの選手よりも少なかったので、全日本が終わったあとに少し走り込む期間を設けたい。ケガなくいけば、(箱根では)かなり走れるんじゃないかなと思います」
つづく
著者プロフィール
和田悟志 (わだ・さとし)
1980年生まれ、福島県出身。大学在学中から箱根駅伝のテレビ中継に選手情報というポジションで携わる。その後、出版社勤務を経てフリーランスに。陸上競技やDoスポーツとしてのランニングを中心に取材・執筆をしている。
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