【駅伝】箱根駅伝総合優勝を目指す早大 花田勝彦駅伝監督が出雲駅伝前に分析する現在地 (2ページ目)
【4年生中心に「一般組」も自信をつかむ】
――1年生の堀野正太選手もしっかりと存在感を示しました。ルーキーは鈴木琉胤選手、佐々木哲選手が、前半戦は目立っていましたが、いいアピールになったのではないでしょうか。
「堀野は、スタミナはあるものの、スピードが課題でした。(申告タイムが)一番速い組だったので、私には『いけます』と言っていたものの、周りには少し不安も漏らしていたようです。最後は少し置いていかれましたが、各大学のエースがいるなかで13分40秒台の自己ベストですから、すごく自信になったと思います。やってきたことがつながっているなと感じました」
――最初に名前が上がった伊藤選手と宮岡選手は一般組(*)の4年生です。スポーツ推薦組に負けじと、駅伝のメンバーに入ってきそうです。
「そうですね。ふたりは14分から14分10秒の間ぐらいと思っていたので、少し上振れしたかなと思いますが、うまくレース展開に乗れたのもよかった。
宮岡はハーフマラソンの実績(自己ベスト1時間1分59秒)がありますし、夏もほぼ完璧に練習ができていました。幸太郎は練習の成果をなかなか試合で発揮できないことが続いていました。宮岡と共に練習量が豊富な選手ですが、試合前も不安のあまり練習量を落とせずにいたんです。そういった点を指摘して、『ここを走れないと先が見えてこないから、大事にいこう』と話をしていました。
ふたりとも箱根駅伝を走るとしたら復路になると思うので、あとは単独で(5kmを)14分30秒から40秒で刻む力が必要です。そこに向けて一歩前進できたかなと思います」
*一般組/スポーツ推薦ではなく、一般入試や指定校推薦で入学した選手、または、附属校、系属校出身の選手
――小平選手も早稲田実業高出身の"一般組"の選手ですが、この夏は選抜合宿で見かけませんでした。底上げという意味では、そういった選手が13分台をマークしたのは大きかったのでは?
「小平は、妙高合宿でいっぱいいっぱいになって後半崩れてしまい、その後に体調不良で練習が抜けていました。また、就職活動で企業にインターンに行ったりしていたこともあって、全体とは少し流れを変えて、最後の選抜合宿には行かずに、(拠点としている)所沢で自分なりの調整をしてきました。
去年もこの試合で自信をつけたので、今年もこの試合には調子を合わせてきました。記録としてはよかったと思います。ただ、同じ組では箱根で争う帝京大の選手に負けていますので......(組1〜9着を帝京大の選手が占め、小平は10着だった)。とはいえ、去年は最後に息切れしたので、これをきっかけに秋に上がってきてくれればと思います」
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