冬季五輪二度出場&連覇を狙う小林陵侑がパリ五輪4位の中野慎詞に助言 普段どおりの自分を出す秘けつを伝授
競輪の中野慎詞(左)とスキージャンプの小林陵侑(右) photo by Noto Sunao(a presto)この記事に関連する写真を見る小林陵侑×中野慎詞 アスリート対談 後編
ともに岩手県出身でオリンピック出場という共通項のあるスキージャンプ・小林陵侑と自転車競技トラック&競輪・中野慎詞。アスリート対談後編では、試合に向けた調整法、オリンピックにかける思いを聞いた。
【眠れぬ夜】
――メンタルコントロールで実践していることはありますか。
小林 イメージトレーニングはやります。今は時間がありませんが、イメージすることは大事なので、連戦のなかで時間ができたらやりたいですね。
中野 僕は自分なりのルーティンとか、レースに臨む気持ちの整え方とか、自分で掴んできたものがあるので、それをひたすらこなしています。必ずやるのは整理整頓ですね。レースに行く前にぐちゃぐちゃのまま行きたくないんです。例えば靴をしっかりと揃えていくというようなことをやると、気持ち的には落ち着きますね。
小林 僕はあまりないですね。家も散らかっているほうですし(笑)。
中野 そのほうが、メンタルが強いと思います。整理整頓をあまり気にし過ぎると疲れるんですよ。余計なことを考えてしまったりもしますし。だから8割OKだったら合格点にしようと。ルーティンをきっちりしても転ぶ時には転ぶし、勝つ時は勝つんですよね。
小林 ルーティンを決めていてできなかった時に、後々気になるじゃないですか。あまり記憶にはないんですが、過去にそういう経験があって、それでルーティンを辞めたんだと思います。いいジャンプをしても勝てない時は勝てないし、それほど納得したジャンプじゃなくても勝てる時には勝てるんで。でもまた何かやり始めるかもしれないですけどね(笑)。結構その日暮らしをしてますんで。
中野 試合の時はどの時点でスイッチをいれるんですか。僕は結構緊張するタイプなんですよ。
小林 僕も緊張しますよ。
中野 えっ、そんなふうには見えなかったです。僕はレースの1週間前が一番緊張していて、そこから緊張が1回和らいで、また前日に緊張します。
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