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ロコ・ソラーレの吉田知那美が日本代表決定戦敗退後に発したコメントに秘めていた想い

  • 竹田聡一郎●取材・構成 text by Takeda Soichro

ロコ・ソラーレの吉田知那美がこれまでの人生で影響を受けた「言葉」や「格言」にスポットを当てた連載。今回は、先日行なわれた日本代表決定戦のタイブレークで敗れた際、試合後のメディア対応におけるコメントについて、その意図などを語ってくれた――。

吉田知那美にちなんだ『32の言葉』
連載◆第17エンド

勝ち続ける選手じゃなくて、負けたところから這い上がってくるのが本当に強い選手
(吉田知那美)

日本代表決定戦ではタイブレークで敗退したロコ・ソラーレ photo by Takeda Soichiro日本代表決定戦ではタイブレークで敗退したロコ・ソラーレ photo by Takeda Soichiroこの記事に関連する写真を見る 稚内で行なわれた来年の五輪代表候補チームを決める日本代表決定戦、私たちロコ・ソラーレは残念ながら敗退してしまいました。

 もちろんカーリング選手としては勝ちたかったですし、悔しい気持ちもあります。でも、納得して受け入れられる結果でもありました。

 今回、この言葉を少し補足させてもらいたくピックアップしました。タイブレーク敗退後に取材エリアで、記者さんからフォルティウスさんについての質問を受けた時のものです。

 ロコ・ソラーレとフォルティウスは同じ時代を戦ってきています。お互いに勝ったり負けたりしながら長い年月、日本代表を背負ってきました。だからまだ挑戦が続くフォルティウスの皆さん、同級生のさや(吉村紗也香)や(小野寺)佳歩についてのコメントでした。でも同時に、その時私の隣に立っていたさっちゃん(藤澤五月)、そして私自身に対してもかけた言葉でもあります。

 ロコ・ソラーレが初めて五輪トライアルに出たのは12年前、2013年でした。(鈴木)夕湖と(吉田)夕梨花は惜しくも負けてしまい、さっちゃんも中部電力の選手として出場していましたが、五輪出場は叶わず。私は勝った北海道銀行フォルティウスに所属していて、幸運なことにソチ五輪に出場できましたが、春にはチームの構想外となり北海道銀行フォルティウスから退団となりました。

 その後、しばらくしてから私もさっちゃんもロコ・ソラーレに加入するのですが、その頃のチームは五輪に出られなかった選手、出ても戦力外になった選手という構成でした。「選ばれなかった者の寄せ集め」とか「雑草」と言われながら、何回負けても諦めずに這いつくばって這い上がってきた。考えるとそれが今、ロコの強さに変わってくれたと信じています。

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