GⅠパールカップ間近 久米詩が落車続きのアクシデントを乗り越え「無」のメンタルで昨年2着の雪辱へ (3ページ目)

  • ハル飯田●文 text by Haru Iida

成長著しい久米詩 photo by Takahashi Manabu成長著しい久米詩 photo by Takahashi Manabuこの記事に関連する写真を見る

【楽しいから頑張れる】

──GⅠ開催となると賞金も高額になりますが、その使い道を考えることはありますか。

 決めてないですね。欲しい時に欲しいものを買いますし、レースで勝った時に自分にご褒美とかもないんです。

──何かそういったモチベーションがないと、厳しい練習を頑張るための気持ちが切れそうになることもあるのではないでしょうか。

 たまにありますね。「何のためにこんなに全力で自転車こいでいるんだろう」と思うことが。

──そういった壁に当たった時は、どうやって乗り越えているのでしょうか。

 結局「楽しいから」というひと言になると思います。壁を乗り越えることも楽しいですけど、それよりも過程が楽しいんですよね。ですから、(壁を感じるような)ストレスはないんですけど、でも時々考えすぎちゃうことはあります。頭が固くなって柔軟に考えられないというか、リフレッシュする時間も大事なのにそれができなくて、無意識にずっと考えていることがありますね。

──では、久米さんにとって、一番いいメンタルはどういう状態なのでしょうか。

「無」の状態じゃないでしょうかね。レースでその瞬間に何をしたらいいか、ということに自然と焦点があう。意識的にそういう状態に持っていければいいですね。

──「無」の状態で本番に挑めるよう期待しています。最後にパールカップに向けての意気込みをお願いします。

 昨年のパールカップではすごく充実した3日間を過ごせたので、今年は(児玉)碧衣さんにリベンジじゃないですけど、いいレースができるように頑張りたいと思います!

【Profile】
久米詩(くめ・うた)
1999年9月3日生まれ、京都府出身。高校まで硬式テニスに励み、卒業後に競輪学校に入学。2019年7月にデビューし、同年10月に初優勝を飾る。2020年にはデビュー2年未満の選手で競うガールズ フレッシュクイーンで優勝。2021年に初めて特別レースのガールズケイリンコレクションに出場し、2023年5月の同レースで初優勝。同年7月のガールズケイリンフェスティバル2023も制す。年末にはガールズグランプリに初出場した。

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