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東京五輪のサーフィンは海でやるから、
チケットなしでも見られるか? (5ページ目)

  • 門脇 正法●取材・文 text by Kadowaki Masanori
  • 門脇 そら●撮影 photo by Kadowaki Sora


 そこで、釣ヶ崎海岸の脇を走っている県道から競技を見られないかと、海岸の入口に向かってみるが、ここからの海岸はあまりにも遠い......。サーフィンの影も形も見ることができなかった(⑥)。

⑥県道から海の方角を向いても遠すぎて見えず......⑥県道から海の方角を向いても遠すぎて見えず......
 こうした検証の結果、東京五輪本番でサーフィン競技のフリー観戦ができる可能性は、ほぼゼロになってしまった。本当に残念である。

 また、運良くチケットを手に入れることができた人たちにとっても、やや気になる状況が見えてきた。

「海外のサーフィン大会は、観客がスタンド席から応援できたり、砂浜にそのまま座って観戦できたり、競技を終えて海から上がってきた選手を波打ち際まで入っていって称えることができたりするんですよ」(近江氏)というように、サーフィン競技では選手と観客の距離感が近く、両者が一体となって雰囲気を盛り上げるスタイルが主流になっている。

 しかし、テストイベントの説明会では次のようなコメントがあった。

「五輪本番の競技では、特にスタンド席の設置は予定していません。砂浜にブルーシートを敷いて、パラソルを置くことも検討していますが、同時に海辺に柵を設けて、観客が海の中に入るのを禁止することも検討しています」

 ブルーシートに柵? はじめはサーフィン観戦のグローバルスタンダードが五輪本番でも繰り広げられるイメージを思い浮かべていたが、そんな華やかなムードが急速にしぼんでいくようだ。

 確かに、五輪という世界的なビッグイベントであれば、安全面を考慮しなければならないのは仕方がない。だが、あまり管理しすぎてはサーフィンというアウトドア競技ならではの醍醐味が味わえなくなってしまう。会場設営についてはまだ検討中とのことなので、せっかく苦労してチケットを手にした観客が選手たちと一体感を味わえるような観戦方法の実現を期待したい。

 最後に、サーフィンの競技会場で観戦するために欠かせないポイントを近江氏にアドバイスしてもらった。

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