サッカー日本代表はどこへいく 識者は森保一監督続投とその後の大岩剛監督就任発表をどう見たか
森保一監督の来年1月までの続投と、その後の大岩剛監督の就任......ワールドカップを終えたばかりの日本代表の新体制発表に何を思うか。ジャーナリストの小宮良之、浅田真樹、杉山茂樹の各氏はこう考えた――。
合理性より組織内の融和を重視した、戦略なき代表監督人事
小宮良之●文 text by Yoshiyuki Komiya
「またか」
そんな感慨しかなかった。
8年間、日本代表を率いてきた森保一監督の続投が発表された。来年1月のアジアカップまでの半年間限定とはいえ、北中米ワールドカップ後の貴重な代表戦やアジア王者のタイトルを争う大会の指揮を執り続けるわけで、森保ジャパンは9年目を迎えるのだ。
7月24日、代表監督続投の記者会見に臨んだ森保一監督ら photo by Kyodo News「継承」「方向性」「積み上げ」......サッカー協会の宮本恒靖会長や山本昌邦ナショナルチームダイレクター兼技術委員長が、そんな言葉でこの人事の意図を語る続投の記者会見だったが、肯定的に捉えられる要素は見つからない。
「優勝」を目標に据えた北中米ワールドカップにおいて、森保ジャパンはベスト32で敗れた。前回のベスト16を下回った。それも最後のブラジル戦は、腰が引けたように守りに入って、無残にも"玉砕"した。結果も内容も、4年前から何の進歩もなかったのである。
これは控えめに言っても「失敗」で、その指揮官が半年間でも代表で指揮を執るのはどういう了見なのか。
気になって、今回のワールドカップの各国代表監督の経歴を調べてみた。森保監督よりも長く代表監督を務めている人物がふたりだけいた。ひとりがフランス代表のディディエ・デシャン監督、もうひとりがクロアチア代表のズラトコ・ダリッチ監督だ。
前者は2018年大会で優勝、2022年大会で準優勝、2026年大会はベスト4。後者は2018年大会準優勝、2022年大会が3位である。ちなみに森保監督の数カ月後に就任したアルゼンチン代表のリオネル・スカローニ監督は2022年大会が優勝、2026年大会が準優勝だ。
9年目に入る森保監督は「ワールドカップ優勝クラス」の監督たちと肩を並べたということか。
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著者プロフィール

小宮良之 (こみやよしゆき)
スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。パリ五輪ではバレーボールを中心に取材。
浅田真樹 (あさだ・まさき)
フリーライター。1967年生まれ、新潟県出身。サッカーのW杯取材は1994年アメリカ大会以来、2022年カタール大会で8回目。夏季五輪取材は1996年アトランタ大会以来、2020年東京大会で7回目。その他、育成年代の大会でも、U-20W杯は9大会、U-17W杯は8大会を取材している。現在、webスポルティーバをはじめとするウェブサイトの他、スポーツ総合誌、サッカー専門誌などに寄稿している。
杉山茂樹 (すぎやましげき)
スポーツライター。静岡県出身。得意分野はサッカーでW杯取材は2022年カタール大会で11回連続。五輪も夏冬併せ9度取材。著書に『ドーハ以後』(文藝春秋)、『4-2-3-1』『バルサ対マンU』(光文社)、『3-4-3』(集英社)、『日本サッカー偏差値52』(じっぴコンパクト新書)、『「負け」に向き合う勇気』(星海社新書)、『監督図鑑』(廣済堂出版)、『36.4%のゴールはサイドから生まれる』(実業之日本社)など多数。


