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【体操】若手の成長で悲願の「団体金メダル」に視界良好 (4ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi  photo by AFLO

 アジア選手権は、団体戦と個人総合を兼ねる試合形式。5人が演技をして、そのうち上位3人の得点を採用する団体戦では、跳馬だけ白井の失敗で韓国と中国に次ぐ3位となったが、他の5種目はすべて1位で圧勝した。

 一方、個人総合では、「身体の調子も良くなってきたので、あん馬と吊り輪、鉄棒でDスコアを上げてみたい。個人総合としては、Dスコアの合計で38・9点くらいにしてやりたい」と大会前に話していた加藤が、ゆかの16・000点を筆頭に、鉄棒でも15・750点を出すなど、合計90・850点をマークして優勝。さらに、「代表メンバーの顔ぶれを見ると、世界選手権では吊り輪にも出なければいけないと思うので、その強化をしている」と話していた田中が、合計90・600点で2位となった。また、個人総合の順位はつかなかったが(順位がつくのは各国上位2名まで)、萱も90・100点を出して彼らに続いた。

 そして種目別決勝でも、ゆかでは白井が16・450点で優勝し、内村の代役の早坂尚人(順天堂大)が2位。あん馬では萱が15・600点で優勝し、平行棒でも15・275点を出して日本人最高の3位に食い込んだ。さらに鉄棒では、田中が15・550点で優勝という結果を残している。

 リオ五輪まで残り1年――。冒頭で田中が述べたように、団体で金メダルを獲得するためには、個々の総合力を高めることが悲願達成のカギとなる。アジア選手権の個人総合で3人が出した得点は、昨年の世界選手権と比較すれば、加藤と田中は内村に次ぐ2位に相当し、萱も5位になる得点だった。各選手の総合力の高さを武器にする日本が今年10月の世界選手権で団体優勝を果たせば、ライバルたちに強烈なプレッシャーを与えることになるだろう。今、日本チームの現在地は、金メダルに極めて近い位置まで迫っている。

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