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山本草太は急成長のマリニンに追いつけるか? 約50点差をつめるポイントは? (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by Getty Images

【優勝候補チャ・ジュンファンがまさかの下位】

 スケートカナダのショートプログラム(SP)で山本は、最初の4回転トーループ+3回転トーループをしっかりと決めたが、次の4回転サルコウは右手をつく着氷。その次のキャメルスピンもレベル3で、わずかに減点される取りこぼしとなった。

 それでも演技後半のトリプルアクセルを落ち着いて決め、シットスピンとステップシークエンスは、GOE(出来ばえ点)加点で4をつけるジャッジもいた。得意とする伸びのある滑りは見せきれなかったが、ミスもあるなか89.92点とねばった。

 続く選手たちはGPシリーズ初優勝を意識してか、かたい滑りになってミスが目立った。優勝候補筆頭だったチャも最初の4回転サルコウ+3回転トーループが4回転+2回転となり、続く4回転トーループは転倒。山本が首位発進となった。

 フリーでは、SPではジャンプにミスがあり4位にとどまっていた三浦が挽回。ミスを中盤のトリプルアクセルの転倒だけに抑え、勢いのある滑りを見せて合計で257.89点を獲得した。

 SP3位の友野は、フリー前半で細かいミスをしてリズムに乗りきれず、合計245.12点。優勝を狙える位置にいたチャは3回の転倒を含めて7本中5本のジャンプでミスをしてしまい、合計216.61点でまさかの下位に沈んでしまった。

 優勝が一気に近づいた緊張感のなか、山本は最初の4回転サルコウから4回転トーループ+3回転トーループ、4回転トーループを着実に決める滑り出し。だが次の3連続ジャンプを予定していたトリプルアクセルがアンダーローテーションになり転倒すると、キャメルスピンを終えたあとのトリプルアクセルもステップアウトになるミスになった。

 それでも、コレオシークエンスのあとに予定していた3回転フリップ+ダブルアクセルを3連続ジャンプに変更してリカバリー。最後の3回転ルッツはエッジ不明瞭の判定でわずかな減点となったが、168.86点を獲得。フリーのみでは3位だったが、合計は258.42点とし、三浦を0.53点抑えて初優勝を決めた。

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