ウナギ・サヤカが明かす、自主興行で前田日明に受け身を見せた真意「黙っているわけにはいかなかった」 (5ページ目)
【アクシデントに対応したシン・広田さくらの天才ぶり】
――前田さんの件は賛否が分かれるところではありますが、ウナギさんは自分なりのベストを尽くしたと思います。すばらしい興行でした。
ウナギ:何が楽しかったですか? ポイントでください!
――私は、葛西純vsスーパー・ササダンゴ・マシン一斗缶Ver.(アジャコング)ですね。「アジャコングが『なんで2試合なんだよ!』って文句言いながら、マスク被って出て行った」というウナギさんのマイクを含めて、最高でした。
ウナギ:あの3日後には、4月29日に里村さんと試合してたじゃないですか(里村明衣子の引退試合)。「私、なんてことしてしまったんだろう!」と思いましたよ。
――シン・広田さくら選手も、あらためて「天才だな」と思いました。タッグを組む予定だった刀羅ナツコ選手が体調不良で欠場になり、急きょ「シン・刀羅ナツコ」として登場するという。前日に欠場が決まったのに、あの完成度はヤバいですよ。
ウナギ:(刀羅が所属する)スターダムからは「無理やり出します」って言われたんですよ。でも、それはよくないと思って、「"貸し1"にさせてください」って。「新日の選手を出しましょうか?」とも言われたんですけど、いや、違うなと。
――それでシン・刀羅ナツコだったんだ。大正解ですよ。
ウナギ:あのムーブは完璧に天才的なムーブでしたね。最高でした。
――あと、ウナギさんがマイクで「今、なんかちょっとやらかしたら、死ぬほど袋叩きにされて吊し上げられて、そんな世界だけど、みんなも絶対にやりたいことやるの諦めないでください」って言ったじゃないですか。あれで涙腺が崩壊しました。私も吊し上げられがちな人間なので......。
ウナギ:今、本当に、一回不倫したらこの世の終わりみたいな。不倫は本当によくないけど、人って失敗する生き物ですよね。嫉妬だったり、「失敗しろ」って望んでいる人もいるけど、叩かれる人って、叩かれるなりの何かが絶対あるんですよ。何も持ってなくて、何も期待されていなかったら、たぶん叩かれることなんてない。「耐えろ」とも思わないけど、「うわ、こんなに叩かれるのに自分は耐えられないだろうな」と想像して"やらない"っていう選択肢を取る人が、たぶん今は、すごい多いと思うんですよね。
(後編:「ただのバカが負けた」とならないための努力 プロレスを面白くするために常に考え、すべてを吸収する>>)
【プロフィール】
■ウナギ・サヤカ
1986年9月2日、大阪府生まれ。2019年1月4日、東京女子プロレス後楽園ホール大会にて「うなぎひまわり」としてデビュー。2020年11月、スターダムに初参戦。コズミック・エンジェルズを結成し、12月、アーティスト・オブ・スターダム王座を戴冠。2021年7月、フューチャー・オブ・スターダム王座を戴冠。2022年10月よりフリーになり、"ギャン期"と称して他団体に参戦。2023年10月、KITSUNE世界王座の初代王者、2024年1月6日、JTO GIRLS王者、1月7日、アイアンマンヘビーメタル級王者となり、三冠王となる。2024年1月、9月、後楽園ホールにて2度の自主興行を開催。2025年4月26日、両国国技館での自主興行を成功させた。168cm、54kg。X:@unapi0902
【大会情報】
ウナギ・サヤカ 7番勝負 第1弾
■大会名:殿はご乱心 夏のウナギ大合戦
■日時:2025年8月2日(土)18:30~
■会場:東京ドームシティアトラクションズ バイキングゾーン芝生広場
著者プロフィール
尾崎ムギ子 (おざき・むぎこ)
1982年4月11日、東京都生まれ。上智大学外国語学部英語学科卒業後、リクルートメディアコミュニケーションズに入社。求人広告制作に携わり、2008年にフリーライターとなる。プロレスの記事を中心に執筆し、著書に『最強レスラー数珠つなぎ』『女の答えはリングにある』(共にイースト・プレス刊)がある。
【写真】ウナギ・サヤカ フォトギャラリー
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