プロレス衣装と覆面でアイドル活動をしていた辰巳リカは、「プロレスをやらせてください」と高木三四郎に直談判した (5ページ目)

  • 尾崎ムギ子●文 text by Ozaki Mugiko
  • photo by 林ユバ

 2013年12月1日、東京女子プロレスが旗揚げ戦を行なった。当時は1日3試合で、試合の間に外部のアイドルのライブを挟むという形式だった。「自分も一応アイドルだったから抵抗がなかったというのもあります。東京女子プロレスというのもよかった」と辰巳は話す。

 2014年1月28日、渋谷エンタメステージにて、「ケンドー・リリコ」名義でデビュー。中島翔子を相手に、マットプロレスを行なった。キャパシティ50人程度の会場だったが、「お客さんに見てもらえてありがたいな」と思ったという。

 しかし同年5月、試合中に腕を負傷。左橈尺骨骨幹部骨折と診断され、長期欠場に入る。デビュー5戦目の怪我で混乱したが、プロレスをやめようとは思わなかった。中途半端になるのだけは絶対に嫌だった。セコンドや物販の仕事をしつつ、『夏の魔物』(DPGから改名)のグループ活動にも力を入れた。しかし、やはりどうしても運営と折が合わず、心が折れ、翌年6月に脱退する。

「プロレス一本でいくと決めて、不安もありましたが、大社長(高木三四郎社長)が『守るから、大丈夫』と言ってくれて。大社長という名前の通り、心がビッグなお方です」

 そんな高木社長に「辰巳リカ」と命名され、同時に藤波辰爾を意識し始める。ドラゴン殺法を研究し、2015年7月18日、復帰戦で"ホワイトドラゴン"辰巳リカが誕生した。

(後編:「後輩への嫉妬心」で東京女子プロレス初の三冠を達成「未詩とは魂の闘い。体は限界でも心は折れなかった」>>)

【プロフィール】

●辰巳リカ(たつみ・りか)

1991年9月27日、長野県生まれ。2013年、エンターテイメントグループ『DPG』の初期メンバーとして活動する中、プロレスと出会う。2014年1月28日、渋谷エンタメステージにて、対中島翔子戦でデビュー。2019年11月3日、渡辺未詩とのタッグ「白昼夢」として、沙希様&操のNEO美威獅鬼軍を下し、「TOKYOプリンセスタッグ王座」を戴冠。2021年1月4日、坂崎ユカを下し、「プリンセス・オブ・プリンセス王座」を戴冠。2023年3月18日、有明コロシアム大会において、渡辺未詩を下し、「インターナショナル・プリンセス王座」を戴冠。東京女子プロレス初となる"グランドスラム"を達成した。163cm。Twitter:@doratles

■大会情報

【大会名】SUMMER SUN PRINCESS '23
【日時】2023年7月8日(土) 開場13:00(サブアリーナ開場12:30) 開始14:00
【会場】東京・大田区総合体育館

詳細はこちら
DDTプロレスリング公式サイト>>

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