「RIZINを食う!」新生K-1を背負う武尊とHIROYAの覚悟 (3ページ目)

  • 布施鋼治●文 text by Fuse Koji  保高幸子●写真 photo by Hotaka Sachiko

「記者会見で僕の席は曙選手の隣だったんだけど、僕の4倍くらいありましたね(苦笑)。でも、闘いは体の大小に関係なく、気持ちで表現するもの。軽量級の試合は大会場では映えないとか、そのよさが伝わらないという人もいるけど、そんなことは絶対にない」

 常に「壊すか壊されるか」という危険な距離で闘い、実際にKOを量産してきた武尊の言葉は説得力十分だ。KO勝ちしたらコーナーの最上段から魅せるムーンサルトを楽しみにするファンも増えてきた。

「31日のRIZINでK-1は1試合しかないけど、総合格闘技の付属品だとは思っていない。今回の僕には『RIZINを食う』というテーマがある。見てもらえたら、僕とK-1の魅力は絶対に伝わりますよ!」

 今回武尊と対戦するのはヤン・ミン。ここ数年、格闘技ブームに沸く中国で際立った活躍を見せるキックボクサーだ。ミンの試合映像を目の当たりにした武尊も、そのポテンシャルの高さを評価する。

「今までやった選手の中で一番アグレッシブなんじゃないですかね。それだけガツガツ来るイメージがあるけど、僕もそうなので噛み合うんじゃないかと思います。気は抜けないけど、1R以内に終わりますよ」

 未来しか見ていない武尊とは対照的に、29日に出場するHIROYAはオファーを受けた当時、少々複雑な思いを抱いていたという。かつて「K-1甲子園」のヒーローとして世の中を沸かせたHIROYAは、大晦日のイベントにも2007年から3年連続出場した経験を持つ。だが、その話を振ると、HIROYAは複雑な表情を浮かべながら口を開いた。

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