2015.12.26

山本家の最終兵器・アーセンがKIDの思いを背負い、RIZIN出陣

  • 布施鋼治●文 text by Fuse Koji 保高幸子●写真 photo by Hotaka Sachiko

 意外と言うべきか。それとも、やはりと言うべきか。正真正銘の格闘サラブレッド・山本アーセンが、12月31日の「RIZIN」でMMAデビューを果たす。母・美憂はレスリング世界選手権を3度、叔母の聖子は4度制し、祖父の郁榮はミュンヘン五輪(1972年)日本代表だった。さらに、叔父の徳郁(KID)は現役UFCファイター。まさに日本を代表する格闘ファミリーの一員なのだ。

レスリングの強さは世界レベルの山本アーセン。タイでムエタイとMMAの修行を積んできた

 4歳からレスリングを始めたアーセンは弱冠13歳のとき、日本レスリング協会の福田富昭会長の紹介で単身ハンガリーへ。通じない言葉や孤独と闘いながら、現地で本場のグレコローマンスタイル習得に力を注いだ。努力の甲斐あって、2013年には世界カデット選手権グレコ69kg級で優勝を果たす。

 今秋から活動の拠点を日本へ移したが、その矢先のMMA挑戦だった。ハンガリーから引き上げる際、現地の国際大会でもらったトロフィーやメダルは全て処分したという。なぜか?

「トロフィーを飾って見るって、過去を振り返ることじゃないですか。おじいちゃんのためにはとっておいたほうがよかったかもしれないけど、なんかイヤだったんですよ」

 19歳の覚悟。ただ、今回RIZINからオファーを受けるまでは、自分がMMAをやるなどとは思ってもいなかった。

「UFCを見てふつうに興奮していたくらい。俺は見る派だと勝手に決めていた」