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「石川祐希はファイナル4の主役だった」 現地紙記者がペルージャ欧州制覇までの道のりをレポート

  • ダヴィデ・ロマーニ●文 text by Davide Romani(『ガゼッタ・デロ・スポルト』)
  • 利根川晶子●訳 translation by Tonegawa Akiko

 ペルージャがバレーボールのヨーロッパ王者となった。

 ヨーロッパ最高峰のチャンピオンズリーグ(CL)での優勝は、ペルージャにとってクラブ史上初の快挙である。2017年、初の決勝戦でロシアのゼニト・カザンに敗れて以来、ペルージャはこのタイトルを8年間、追い求めてきた。

 今シーズンのCLファイナル4(決勝、準決勝、3位決定戦も含めたトーナメント戦)はポーランドのロドスで開催された。ペルージャは準決勝でトルコのハルクバンク・アンカラを破り、決勝ではポーランドのサヴィエルチェ相手にフルセットで競り勝ち優勝を手にした。リーグ全体を見ても、9勝1敗(グループステージでハルクバンク・アンカラに敗れたのみ)という感動と興奮に満ちた堂々たる成績での勝利だった。

チャンピオンズリーグで優勝し、メダルを手にした石川祐希(ペルージャ)photo by Newspix.pl/AFLOチャンピオンズリーグで優勝し、メダルを手にした石川祐希(ペルージャ)photo by Newspix.pl/AFLOこの記事に関連する写真を見る この勝利はまた、国内タイトルを逃すという痛みを癒すものともなった。ペルージャはスクデット・プレーオフの準決勝で、チヴィタノーヴァに2-0とリードしながらも、そこから逆転されて2-3で敗れ、連覇を断たれていた。結局ペルージャは今シーズンをふたつのトロフィー獲得で締めくくることとなった。イタリア・スーパーカップ(トレントを破って優勝)とCLだ。

 CL初優勝をひと目見ようと、ポーランドまで多くのサポーターが駆けつけた。ペルージャに残った人たちもテレビにかじりつき、胃が痛むような思いで声援を送っていた。ペルージャ初優勝の快挙は、瞬くまにニュースとなり、スポーツ紙だけでなく一般紙やテレビなど、国内外のメディアで大きく取り上げられた。

 この勝利でペルージャはクラブとして手に入れられる全ての栄冠をコンプリートした。国内リーグ優勝(2018、2024)、コッパ・イタリア(2018、2019、2022、2024)、 スーパーカップ(2017、2019、2020、2022、2023、2024)、クラブワールドカップ(2022、2023)、そしてCL(2025)である。

 またイタリアにとって、これは21度目のCL優勝になる。過去に トレント、トレヴィーゾ、モデナが各4回、ラヴェンナが3回、パルマとチヴィタノーヴァ各2回、トリノが1回優勝を果たしている。今年度は女子もCLはイタリアが制しており(コネリアーノ)、男女のダブルタイトルはこれが12度目となる。

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